新潮選書
自爆する若者たち―人口学が警告する驚愕の未来

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  • サイズ B6判/ページ数 286p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784106036279
  • NDC分類 334.3
  • Cコード C0330

出版社内容情報

ムンバイのテロは、政治・宗教問題が原因なのか?! 誰も指摘しなかった自爆テロの本質。
テロは、本当に民族・宗教・貧困のせいなのか? マスメディアに刷り込まれた常識を疑え! 25歳未満の「居場所のない若者」が増加し続けると、人口グラフではその年代だけが異様に膨らんでみえる。これが、危機のサイン「ユース・バルジ」だ――。人口データに注目すると、テロの本質がクリアに分かる。

内容説明

団塊の世代のように突出して数が多く、居場所のない「ユース・バルジ」。この指標を手がかりに、暴動と人口の「隠れた法則」をあぶりだす。イスラム自爆テロの本質は何か、中国は危険なのか、アメリカの覇権の行方は?さらに、魔女狩りや大航海時代、日本の戦後復興など、世界史の特異な現象をも読み解く。海外ニュースが全く違って見えてくる知的興奮の書。

目次

1 古くて新しい世界敵―ユース・バルジからの過剰な若者たち
2 若者たちはどこに住んでいるか?
3 人口統計に見る征服者の出自とヨーロッパの世界征服という「奇蹟」
4 超大国の昨日と明日―若者の増加と厳格な所有権構造
5 ユース・バルジと国境なきテロリズム
6 入れてもらえる者、もらえない者

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

5 よういち

97
テロや戦争の原因を人口学という観点から説いた著書◆斬新な切り口だ。テロや戦争は子供、特に男子が多すぎる国に発生しやすくなると説く。少子化が進む第一世界の国では男子がいずれも唯一の息子か一人っ子であり、軍事的動員に応じきれない。一方で長男以外にはポストが与えられない第三国の多すぎる男子は必死になって自分の居場所を求める。テロリストは貧困や飢えから生まれるのではなく、ステータスと権力に目が眩むから...米国陸軍省は2020年までの危機にこれらの国々を第一級の脅威と位置付ける。そしてその脅威は後に顕在化した。2019/05/26

そり

19
低開発諸国では一人の母親が平均的に6人も7人も産む。そして、その子供たちは食糧や医療に困ることがなくとも、人数の多さにたいしての圧倒的なポスト不足に困る。彼らは居場所を求め、宗教なり主義なりを後から身につけ、力を振るう。彼らの指導者を抑えても、数多くの野心は存在しつづけ、人が減りポスト不足が解消されない限り、テロリストは現れる。▼そういう、人口から見た視点は貴重だった。ただ、やたら煽動的だったり、余計な修辞的表現が邪魔で、なかなか読みにくい。2015/08/12

テツ

17
人口学という学問から戦争やテロについて考える。若年層がある程度増えた国家では地位や仕事からあぶれた若者たちが自身の生きる場所やレゾンデートルを求めて好戦的になっていく。日本でいうとちょうど団塊の世代が若かりし頃。ああ。確かにアホみたいな理由で暴れ狂っていたな。確かに彼らを駆り立てる原動力は社会の改革云々というよりも、安っぽくくだらないステータスやポストを得るためだと言われた方が納得できる気がするな。力が有り余る若者たちに存在する場所と存在する意味を与えられる社会を構築していかなければならない。2021/05/18

4fdo4

12
その【ユース・バルジ】とは 「国民の15歳から25歳の人口が平均以上に高い」現象。 ユース・バルジ達は三男・四男・五男であり、親からの経済的援助も乏しく、国内失業率も高い。不満の向かう先は政府に対する暴動や海外への攻撃となる。 立ち向かうアメリカと主とした西側の大国では、軒並み出生数が2を大きく下回り、一人っ子や一人息子をこれらの国の鎮圧に送り込み続けるのは、現実問題として非常に負担が大きい。 2019/05/25

井上裕紀男

10
戦争と仮想敵はニュースでも安直に結び付けて報道されがちで、私も子供のころから自分の中に勝手な国同士の関係を作っていましたが、本書は既成概念をぶっ壊してくれます。 「国内に戦闘能力の高い青年層が幾人いるのか」、戦いを引き起こす新たな視点と数々の人口分布数字で解説しています。居場所や仕事を失って彷徨う若者が増え、生きる目的や希望が戦争参加となる話は恐ろしい。 人口が増減しても、新しいテクノロジー活用で社会の仕組みを変えて、新たな居場所や仕事が生み出される世の中を皆で作るべきなのか。今後注目の課題です。2021/02/07

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