内容説明
かつて全地球は、数百万年にわたり凍りついていた可能性が強い。赤道付近にも、南極のような氷床があった証拠が見つかっている。生物はどう生き延びたのか?零下50度以下の厳寒はいかにして温められたのか?大気の変化、温暖化プロセス、プレートテクトニクス、太陽の影響、生物進化。さまざまなファクターから、ガリレオ以来の衝撃的仮説が証明されていく。
目次
第1章 寒暖を繰り返す地球
第2章 地球の気候はこう決まる
第3章 仮説
第4章 論争
第5章 二二億年前にも凍結した
第6章 地球環境と生物
第7章 地球以外に生命はいるのか?
著者等紹介
田近英一[タジカエイイチ]
1963年、東京都杉並区生まれ。東京大学理学部卒。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。理学博士。現在、東京大学大学院理学系研究科准教授。専門は地球惑星システム科学。2003年第29回山崎賞、2007年日本気象学会堀内賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
33
実は地球は今よりもっと温暖化も経験しているし、もっとも寒い全球凍結も経験していることが判明したというのが本書の主張する内容。そしてそのなかでも生物は生命活動を続けていたというところにスケールを感じた。2011/05/15
文章で飯を食う
11
再読。科学の面白さより物語としての面白さにあふれている。地球ってドラマチックな星ですね。2017/09/01
文章で飯を食う
11
教科書と違う! 地球が、少なくとも2回の全球凍結をしたのは、間違いの無いことのようです。 こんな面白い仮説が、この20年ぐらいで急速に発展して来た。自分達の習った高校の教科書にはのってなかった。面白い。 2017/07/17
Koki Miyachi
10
筆者は東京大学で准教授(現在は教授)として地球惑星システム科学を研究する研究者。かつて地球は完全に氷に覆われていた時期があるという学説「スノーボールアース仮説」(全球凍結仮説)を軸に地球の過去の環境について、また未来の地球環境や宇宙の生命の存在可能性について分かり易く解説している。この大胆な学説を巡る論争や歴史的経緯を通して、地球史を考え地球環境を理解する最新の視点を与えてくれる良書。筆者も深くこの学説に関わっていて、当事者にしか語れない現場のリアリティ満載だ。久し振りに読んだスリリングなサイエンス本。2013/12/30
baboocon
9
超速読で読了。かつて地球は数百万年ものあいだ全体が凍結していたという大胆な仮説。そのメカニズムも驚くような内容だが、人類のたかだか数万年という歴史など、地球の辿ってきたダイナミクスに比べればほんの瞬きほどにもならないのだという儚さを感じた。2017/01/16