内容説明
ハワイへ、北米へ、そしてペルーへ―。この国が貧しかった頃、日本人は夢を抱いて新天地へ向い、そこで彼らは無類の「頑張り」を発揮した。そしてブラジル移民百周年の今、外国人、日系人が続々日本へ働きに来る。聞き取り調査で得た移民たちの生の声や福沢諭吉、榎本武揚らの移民観を通して近現代の日本を振り返り、今後のあり方も考える。出色の移民論。
目次
第1章 突出せず、目立たずに「頑張る」日本人移民や日系人
第2章 「蒼氓」南半球へ―ブラジル移民
第3章 元年者から官約移民、そして自由移民―ハワイ・北米移民
第4章 バンクーバーの夢追い人たち―カナダ移民
第5章 ジャングル夢中行―ボリビア移民
第6章 福沢諭吉と杉浦重剛の移民論
第7章 榎本武揚や新渡戸稲造らの移民観
第8章 出日本から入日本へ
著者等紹介
天沼香[アマヌマカオル]
1950(昭和25)年京都生まれ。東京教育大学文学部卒。同大学院修士課程修了。筑波大学大学院博士課程修了。医学博士。東海学院大学教授。専門は歴史人類学、日本近現代史。家族、移民、民族性に関する学際的研究に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Nunokawa Takaki
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日本と他国の間における移民の歴史が具に理解できた。自国のなかにとどまっている人たちは、一度でもいいから他の国に足を踏み入れてほしい。外国人に対する見方が変わり偏見も大分緩和されることだろう。どんな国だっていい人は沢山いるんだと知らされるはずだ。移民に限らず、他国に滞在するという事は、その国の色々が見えてくる。そして軽蔑されながらも、「頑張って」関係を築いてくれた人たちがいたという事実に感謝すべきだ。バンクーバーに滞在して3ヶ月間、ブラジル人は皆いい人だと感じる。これはやはり過去の関係のおかげだだろう。2014/02/23
Bungorai
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プッシュプル理論に基づいた移民の話として考えられるだろう。
まなせいご
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「頑張る日本人」はこの国の国民性なんでしょうね。福沢諭吉や新渡戸稲造の考え方も興味深かったです。2019/12/08