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新潮選書
テロと救済の原理主義

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  • サイズ B6判/ページ数 223p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784106035869
  • NDC分類 160.4
  • Cコード C0331

内容説明

イスラームの「原理主義」と「リベラル」、対極の勢力が信奉するのは同じコーラン。また、戦前日本の日蓮主義からは、テロによる暴力と慈愛にみちた文学が同時発生した。なぜ同じ教義から、「テロ」と「救済」が派生するのか?イスラームから日本まで、原理主義を検証し、解釈によって「愛」も「憎しみ」も生まれる両義性を解剖。宗教問題の本質に迫る力作評論。

目次

序章 イスラームが問題なのか
第1章 原理主義のカリスマ
第2章 リベラル・イスラーム
第3章 プロテスタント化した仏教
第4章 愛と憎しみの日蓮主義
第5章 「内なる原理主義」

著者等紹介

小川忠[オガワタダシ]
1959年神戸市生まれ。早稲田大学教育学部卒。82年国際交流基金に入社。ジャカルタ日本文化センター、ニューデリー事務所長などを経て、現在は日米センター事務局長。00年『ヒンドゥー・ナショナリズムの台頭 軋むインド』(NTT出版)で第12回アジア・太平洋賞特別賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Yukicks

6
一神教は危険、多神教は寛容という考えが思考停止のステレオタイプ分析だと教えてくれる本。スリランカの仏教ナショナリズムや、戦前日本における日蓮主義など・・・多神教でも排他的に宗教が使われた例はある。 近代化=西洋化のうねりの中、社会が荒廃したと感じる"誰の心の中にも眠る「内なる原理主義」"が反発を感じたり、善く生きたい、誰かを救いたいと決死の行動へと向かわせる。2012/07/18

なつき

3
【はしプロ25宗教】『テロと救済の原理主義』読了。タイトルでも示されている通り、宗教はなぜしばしばテロと結びつくのか、あるいはその危険性を孕むのかということをシビアに分析していく。トピックとしては、リベラル・イスラームやプロテスタント化した仏教や日蓮主義などなど。宗教の両義性。2017/11/16

greenman

3
イスラム教原理主義の場合、サイード・クトゥブが原理主義の父として称えられている。原理主義というとイスラム教限定のアブナイ主義というイメージがあるけれど、宗教には必ず原理があり、その原理に戻ろうとする人たちはどの時代・場所にも存在する。近代化=西洋化の中でほとんどの宗教は危機に迫られるが、その反発として原典に戻ろうとする動きがしばしばテロや紛争を引き起こしている。そこでは常に生と死がからみ合って、だれかを救うための決死の行動が自爆テロになったり、無差別殺人になったり、あるいは慈善活動などにもつながっている。2011/12/18

偽教授

2
それなりに勉強にはなるが、章構成などいろいろと中途半端2014/08/25

中島直人

2
原理主義とは異質なイスラム教に特化した現象ではなく、多神教である仏教国の戦前日本やスリランカでも同質の現象が見られたとする作者の指摘は凄い。その根元は、西洋キリスト教文明の欧米列強の挑戦を受け圧倒された非欧米列強諸国の、自らのアイデンティティー、誇りを守るための運動とする論旨は説得力があり納得出来た。世界の動きを見る上で、新たな切り口を知ることが出来て、非常に勉強になった。2013/09/16

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