新潮選書
二十世紀から何を学ぶか〈下〉一九〇〇年への旅アメリカの世紀、アジアの自尊

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  • サイズ B6判/ページ数 284,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784106035821
  • NDC分類 280.4
  • Cコード C0395

内容説明

二十世紀初頭、イギリスを凌ぐ超大国となり、世界の覇権を握ったアメリカ。解放と独立を目指したアジアの人々。その狭間で揺れる日本。「アメリカの世紀」はどのように創られ、そのただ中を人々はどう生きたのか?尊大にも自虐にも流れない歴史認識を構築するために、歴史の源流を遡り未来を展望する。注目の歴史エッセイ第二弾、選書版で再登場。

目次

第1章 アメリカの世紀がアジア太平洋にもたらしたもの(太平洋の転換点となった米西戦争での米国の勝利;明治の青年に夢を与えたクラーク博士の実像と足跡;ヘンリー・ルース、「アメリカの世紀」を推進した男;フランクリン・ルーズベルトの対日観の歴史的変遷;敗戦後の日本を「支配」した「極端な人」マッカーサー)
第2章 国際社会と格闘した日本人(「太平洋の橋」になろうとした憂国の国際人、新渡戸稲造;キリストに生きた武士、内村鑑三の高尚なる生涯;禅の精神を世界に発信した、鈴木大拙という存在;六歳の津田梅子を留学させた明治という時代;「亡命学者」野口英世の生と死;高峰譲吉の栄光とその悲しみ;日本近代史を予言した男、朝河貫一の苦闘と日米関係;近代石炭産業の功労者、松本健次郎と日本の二十世紀;情報戦争の敗北者だった大島浩駐独大使)
第3章 アジアの自尊を追い求めた男たち(アジアの再興を図ろうとした岡倉天心の夢;「偉大な魂」ガンディーの重い問い掛け;インドが見つめている―チャンドラ・ボースとパル判事;革命家・孫文が日本に問いかけたもの;魯迅が否定した馬々虎々;不倒翁・周恩来の見た日本)
第4章 二十世紀再考―付言しておくべきことと総括(一九〇〇年エルサレム―アラブ・イスラエル紛争に埋め込まれたもの;一九〇〇年香港―英国のアジア戦略;総括 結局、日本にとって二十世紀とは何だったか(上)(中)(下))

著者等紹介

寺島実郎[テラシマジツロウ]
(財)日本総合研究所会長、(株)三井物産戦略研究所所長、三井物産株式会社常務執行役員、早稲田大学アジア太平洋研究センター客員教授。1947年北海道生まれ。73年早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了。同年三井物産に入社。調査部、業務部を経て83年より米ブルッキングス研究所(在ワシントン)へ出向。その後、米国三井物産ワシントン事務所長(91年)、三井物産業務部総合情報室長(97年)を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あちゃくん

28
上巻は欧州を扱っていましたが、この下巻は舞台の中心をアメリカやアジアに移して描かれています。上巻よりもより明治期の日本人が、どう七転八倒し世界と伍していったかが分ります。2013/07/21

ykoro

5
秋山真之は米西戦争での学び、日露戦争への応用など印象的。クラーク、北海道開拓使のケプロンの話も面白い。ヘンリールース「タイムの編集方針の斬新さは社会的な問題や重要なニュースに関する完全な中立は不可能であるだけでなく、望ましいものではない」「自分は編集者ではない。プロモーターだ」 鈴木大拙「君達にはわかるのかね」朝河貫一「日本の禍機」⇛日本の存立で東アジアの独立を実現「覇権なきアジア」2017/04/24

N.E.Nishida

1
【書評】寺島のおじさんが先導する、100年前の世界への時間旅行である。上巻を読んでから3年以上かかってしまったが、より世界が狭くなったように感じる今こそより深い読みができると思った。新渡戸稲造、内村鑑三、鈴木大拙、岡倉天心ら、日本の心や文化を海外に広めた重要人物の航跡は、当時のアメリカや欧州、そしてアジアで複雑にクロスした。彼らが外に向けて伝えたかったことは何だったのか、そして時代に流されるままに顧みなくなった日本人としてのアイデンティティとは何なのかを想起させる。これら先人の思想に鍵をかけてはならない。2013/07/21

おとやん

1
4章より構成。米国とアジアとして2人のルーズベルト、マッカーサー。国際社会と格闘した日本人として新渡戸稲造、内村鑑三、津田梅子、高峰譲吉。アジアの自尊としてチャンドラボーズ、パル判事、孫文、魯迅、周恩来が紹介されている。エルサレムとアラブ、英国のアジア戦略。20世紀は太平洋やアジアをめぐった時代だったのかもしれない。中国やアジアの人をはじめ、そこに強い関係があったことが理解できる。それは、個人が作った関係なのかもしれないが。そこで思うのは歴史にしっかり向き合うこと、そして、これからどうするかということ。2011/02/05

じろう

0
個人的には上巻ほど面白くなかった。既知の情報が多かったからかアメリカ編だったからか。後書きのこのフレーズが心に残った。「真の戦後レジームからの脱却とは米国を相対化することであり、米国の世界戦略に一体化していく国際関係しか構想できない状況では日本の21世紀の地平は拓かれないであろう。」どこぞの対米追従のアホ首相に聞かせたい。2017/06/22

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