出版社内容情報
二流のアメリカ人にならないために――。
左でも右でもなく日本を考える一冊。
一度も異民族に征服された経験がない国、日本。ユダヤ人のような強烈な自己主張を苦手とし、外国文化を要領よく取り込んで“自己改造”をはかる国柄は、なぜ生まれたのか。世界でも珍しい“寛容な”民族の思考パターンを、「部品交換型文明」の視点から丸ごと分析。欧米一辺倒でも大陸追従でもない道を語る画期的日本論。
■著者紹介
鈴木孝夫 (すずき・たかお)
1926(大正15)年、東京生まれ。慶応大学文学部英文科卒。慶応大学名誉教授。専攻は言語社会学。英語と日本人、日本人の外国語観などについて大胆で柔軟な文化論を提起する一方、地球環境問題にも積極的に発言。著書に、ドイツ語でも刊行された『閉された言語・日本語の世界』をはじめ、『武器としてのことば』(新潮選書)、『人にはどれだけの物が必要か』(中公文庫)、共著に『日本・日本語・日本人』(新潮選書)など多数。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
James Hayashi
31
言語社会学、慶大名誉教授。06年著。Q&A式で語られているが、ベースとしては自虐史観、東京裁判史観脱却がメインであり、日本人として誇りを持てと。言語学的に驚かされた記述が幾つかあった。2019/03/04
リットン
10
僕は日本はすごくいい国だと思ってて、これほどいい国はないと思っており、最近悪いことばかり聞く気がしてこの本のタイトルに惹かれたが、思ってたのと違った。この著者の書き方は、日本が好きというより、とにかく外国が大嫌いなんだな、という感じを受けて、なんというか、戦前生まれの祖父のような世代とのジェネレーションギャップを感じた。ちょっと読んでられなかった。今の僕らの世代なんかは戦争の記憶は事実は知っていても感情の伴わない記憶になり、価値観も欧米の影響を受けているんだろなと思った(その良し悪しはないと思うが)2022/09/15
カインズ
8
【なぜ西洋コンプレックスは生まれるのか】海が半透膜の役割を果たすことで外国の良いところだけを間接的に受け入れ、侵略もされなかったことから日本人が外国をユートピアと考えているとし、外国との交流のためにも外国が条件次第では恐ろしいことをすると知る必要があると説く。著者が挙げる恐ろしいことの具体例は、ショッキングであり自分がいかに外国のことを知らないか思い知らされた。日本と外国との違いを宗教、建築様式、食文化等の多様な面から考察している。外国のことを正確に知った上で、日本の強みに自信を持つことが肝要であろう。2011/12/03
kenitirokikuti
6
図書館にて。タイトルは、ヴァン・ウォルフレン『なぜ日本人は日本を愛せないのか(Why Can't the Japanese Love Japan?)』だろう。田中克彦との対談本の再読のあと、鈴木の著作もいくつか借りてきたのだった。本書は2006年1月刊行の新潮選書だけども…えーと、03年4月に新潮新書創刊、05年11月が藤原正彦『国家の品格』か。本書も口述っぽいし、00年代の新潮新書とみなすべきだな。14年には新潮文庫Nex(そういや週刊コミックバンチ(2001〜10)の方が先だったナ…)2021/09/07
かりんとー
6
この本が愛国右寄りにみえるほど、私たちは左に洗脳されているのだな…。2018/04/01