内容説明
現代日本人はなぜ老いを恐れるのか?それは、よく働き、世の役に立つことだけが人の価値と思い込んでいるから。だが、誰も避けられない老いと死は、決してマイナス価値ではない。古来、人々が探求してきたこの永遠の課題に、現代人はいかに向き合うべきかを問い直す。仏教の深い叡智が教える、ほんとうに豊かで幸せになるための「老いと死の哲学」。
目次
第1章 仏教に学ぶ「老いの哲学」
第2章 老いと闘う一神教徒、老いを憎む日本人
第3章 「人生の意味」という束縛
第4章 「夜逃げ」のすすめ
第5章 老人の存在意義
第6章 仏教に学ぶ「あの世」の智恵
第7章 老いを楽しく生きるには
著者等紹介
ひろさちや[ヒロサチヤ]
1936年大阪府生まれ。東京大学文学部印度哲学科卒業、同大学院博士課程修了。気象大学校教授として長年にわたり哲学を講じる。現在、大正大学客員教授。旺盛な執筆・講演活動で仏教哲学の啓蒙家として知られる
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感想・レビュー
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すうさん
2
本書は2004年の本なので既に20年前の本だ。数年前に亡くなったひろさちやさんが還暦の頃に考えてきたことをまとめられた。今も変わらず彼の言葉がやさしく寄り添ってくれてこれからの人生のゆく道を照らしてくれる。仏教が専門だがいつもキリストの言葉や孔子や老子の言葉も満載。偉大な創造主への信心の気持ちはいつも私を慰め励ましてくれる。老い方も死に方も同じ。「人は生まれたついでに生きている」だけ。残りの人生を頑張らずに良い加減で「明日を追わず未来を願わず」楽しく生きていくことにしようと考えている。還暦者にオススメ!2023/06/19
やいまゎ
2
結語、がんばらないようにしましょう。2020/02/01
東京には空がないというけれど・・・
1
「あの世」には人間の優劣の判断も、価値基準もない。だから高齢者の知恵も尊敬される。「この世」は、市場原理や競争の視点である。だから高齢者は役に立たない存在として見られる。著者は、「この世」において、「あの世」の視点を持つことの重要性を説く。しかし仏教中心主義ですべてを見ているため、理解が困難なところが多数ある。ただ、現実世界で生きるには、「この世」の原理だけでなく、絶えず「あの世」の原理を忘れないでいることも大事であることには納得。2013/02/17
pudonsha
0
ひろさんの人生観が全面に出ていた。2011/09/07
老齢症状進行中
0
ひろさちやさんの本は、いろいろ読んでおり、私の現在の人生観に大きな影響を与えていると思います。ここに書かれた 世間・道徳・他人への無関心は、多分実行できているし、最後に掲げられた「がんばらない」から始まる十か条も身についているつもり。ストレスなく生きるためにひろさんの様々な教えは、本当に身に沁みました。少し前の本ですが、今も断然、有効です。ぜひ、お読みください。オススメです。2022/10/10