内容説明
カメラを武器にただ独り、アフリカや中東の戦場を、エル・サルバドルの革命地を、フィリピンのスラムをめぐり、アフガン・ゲリラと寝食を共にし、同時代に生きる人々を撮りつづけたフォト・ジャーナリスト、長倉洋海。激動する世界と人間、その十五年にわたる全ドキュメント。常に歴史の底辺の人々に挑み、切りつづけたシャッターの全軌跡を、衝撃的に放つ。書下ろしと未公開写真を多数収録。
目次
激動する世界へ
内戦の中米へ
ベイルート大虐殺
峡谷の獅子マスード
レバノン内戦再燃す
革命下のイラン
エル・サルバドル、再び
革命前夜のフィリピンへ
トーキョー・山谷へ
五年後のアフガン戦士たち〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hope
32
世界のどこかの「現実」の膨大な記録。身の回りにも災害や虐待といった痛ましい出来事もあるが、戦争や飢餓が日常にある生活の不安というのは想像の域を出ない。 忘れてならないのは、この不条理な現実は人間の営みだ。戦場やスラム、アフガンのゲリラと寝食を共にして、彼らの生の姿を写す。報道番組での切り取られた一部の裏側にある現実。その中で生きようとするプリミティブな意志を宿した、子どもたちの真っ直ぐな瞳の強さに心を撃ち抜かれる。 そして長倉氏は70歳に近づいて今もまだ現役で、紛争地で生きる人々を撮り続けている。2019/02/28
allite510@Lamb & Wool
1
ソ連のアフガン侵攻のときにはマスードが居た。ソ連撤退後のアフガンもひどかったようだが、今のシリアは更に無茶苦茶に見える。この20年で何がどう変化したのか、さっぱりわかっていない自分に呆然とする。2016/10/10
まめふじ
0
圧倒的写真のちから。 正直、開くのが怖い頁もある。だけど私は生きていく上で、この地球上で起きていることに対して見て見ぬ振りはしたくない。長倉さんは著書で何度も写真の意味について問うているけど、答えは必ず読者に届いている。2019/04/20