内容説明
白洲正子が平明な言葉で語る、“お能のこころ”入門書。能楽写真の第一人者・吉越立雄の臨場感あふれる舞台写真とともに、白洲正子が演目や能面についての独特の解釈を展開する。小林秀雄・正宗白鳥が賛した名著が装いも新たによみがえる、1993年版とんぼの本『お能の見方』のリニューアル新版。巻末に能曲『忠度』を題材にした未発表小説「ものがたり 故郷の花」を単行本初収録。
目次
井筒
清経
融
道成寺
安宅
松風
仮面について
面の表情
お能の見方
装束
ものがたり 故郷の花
著者等紹介
白洲正子[シラスマサコ]
1910‐1998。東京生まれ。薩摩隼人の海軍軍人、樺山資紀伯爵の孫娘。幼時より梅若宗家で能を習い、女性として初めて能舞台に上がる。4年間の米国留学後、白洲次郎と結婚。日本文化や美術・工芸を幅広く追究する。1943年『お能』を処女出版。戦後、小林秀雄、青山二郎らを知り、大いに鍛えられて審美眼と文章をさらに修業。1964年『能面』で、また1972年には『かくれ里』で、ともに読売文学賞を受賞している
吉越立雄[ヨシコシタツオ]
1923‐1998。東京生まれ。東京写真大学を卒業後、一貫して能と狂言の世界を撮り続け、その功績により、1980年に観世寿夫記念法政大学能楽賞を受賞。能楽関係の著書・写真集多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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U
23
図書館本。白洲正子つながり。読友さんがお能の本よまれていたので、わたしも写真入りで分かり易いもの手にとってみました。面の写真は興味深かった。般若の強調が真蛇とは、恥ずかしながら知りませんでした。その形相は凄まじく、女の嫉妬はおそろしいと思った。知識不足は問題でない、ということばが心強く、とりあえずじかに鑑賞することに、背中を押してもらえた気がします。2015/07/12
きゃれら
17
わかりやすい狂言を見るうち、何がなんだかさっぱり分からない「能」が気になって仕方なくなってきていた。そこへ、亡くなった母から(なぜか)譲り受けたユリイカの白洲正子特集が目に入り、著作に能の本がいくつかあるのを見つけて、図書館で借りてきた。初心者向けに写真が豊富で、わかり易く解説してくれている。理屈で観ていた自分がいかに間違っていたかよく分かった。能の舞にエロを見いだせる境地になってみたいものだ。2022/05/06
yamahiko
17
白洲正子さんは本当に素晴らしいエッセイストだとあらためて感じました。一つでも多く一期一会の舞台に接したくなる一冊でした。2016/10/09
さとみん
7
最近お誘いを受けてたまにお能を見るようになり、知識はなくても演劇とは違う身体の使い方が面白いと思っていたが、やっぱり背景を知るとさらに面白い。観たい演目がたくさん出てきた。2016/06/03
或るエクレア
7
やや難しかったが、能で表現したいことって今の演劇とそんな変わらないんだなあと思った。お面の表情や衣装のきらびやかさは今の技術ではもう作れなそう。2016/05/30