内容説明
本書はバスク民族の起源と特性、バスク民族のナショナリズム、ETA誕生の背景、ETAの内幕、ETAの組織と国際連携などについて現地調査結果を交えてとりまとめたものである。
目次
序章 バスクの歴史
第1章 バスク民族のナショナリズム
第2章 「バスク祖国と自由」―ETA
第3章 ETAの分裂
第4章 自治政府の成立
第5章 アルジェリア・コネクション
第6章 極右組織「GAL」の大量暗殺
第7章 ETAの内幕
第8章 ETAの組織と国際連携
第9章 バスク民族主義運動とETA
終章 日本とバスク人の関係
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
3
スペインとフランスに跨って住むヨーロッパの古い民族バスク人の歴史を、19世紀以降のスペインでの状況を中心に概観。特に第二次大戦後の分離独立組織ETAの闘争に関する記述が大半を占める。1950年代に当時のフランコ独裁政権に反発するETAが結成されて以後のスペイン当局との闘争の経緯、組織内の権力闘争、テロの手法や資金調達、そしてIRA、PLOやリビアのカダフィ政権からの国際的な支援など、日本では余り知られぬバスク問題の実態を解説。ETAにカウンターテロで対抗した、スペイン当局の秘密組織にも言及している。 2021/06/02
塩崎ツトム
0
ETAは女子供見境なしに爆弾テロの標的にし、スペイン内務省は外国人の暗殺部隊を編成し、ETA一人ひとりに賞金を掛け殺してゆく。……内戦中でもなければフランコ独裁政権時代でもない、80年代の話です。信じられないことに。2012/06/22