• ポイントキャンペーン

Crest books
イースタリーのエレジー

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 255p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105901028
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

出版社内容情報

ジンバブエの人々の悲喜こもごもの日々を描く十三の物語。フランク・オコナー賞候補となったデビュー短篇集。クッツェー絶賛!

デビュー短篇集がフランク・オコナー賞候補に。ジンバブエの人々の十三の物語。「もう決して植民地にはならない」――一九八〇年に独立したアフリカ南部の国ジンバブエ(旧ローデシア)。白人を打ち負かし、理想に燃えていたはずが、いまや天文学的ハイパーインフレが進行中。そんなジンバブエを舞台に、さまざまな階層の人々の悲喜こもごもを描く十三の物語。J・M・クッツェー、イーユン・リー絶賛のデビュー作。

内容説明

アフリカ南部の国、ジンバブエ(旧ローデシア)。1980年、悲願の独立を果たしたものの、大統領はその後30年も居座りつづけ、解放の夢は天文学的ハイパーインフレ(1000億ドル札=5米ドル)と物不足、エイズの蔓延という悪夢に変わった。―女ったらしの夫を国葬で送るはめになった英国人妻の諦観と覚悟。ブランチ、ランチ、お茶にディナー、リッチな銀行家の妻の淡く深い寂寥。赤ん坊を熱望する女と困惑する夫、人知れず身ごもった流れ者の女。三人の人生が劇的に交錯するある一夜。ゲリラの村からやってきた明るく溌刺としたメイドの思い出、その苦い幕切れ…。はるかな国の、さまざまな階層の人びとの日々の暮らしを、恬淡としたユーモアと繊細な情感をまじえて描きだす、類いまれなデビュー短篇集。フランク・オコナー国際短篇賞最終候補作。ガーディアンファーストブック賞受賞。

著者等紹介

ガッパ,ペティナ[ガッパ,ペティナ] [Gappah,Petina]
1971年、父の赴任先であるザンビアで生まれ、まもなくジンバブエ(当時はローデシア)に帰国。ジンバブエ大学で法律を学び、オーストリアのグラーツ大学、イギリスのケンブリッジ大学に留学。国際商取引法の博士号を取得。1998年よりジュネーブの世界貿易機関に勤務。2009年、短篇集『イースタリーのエレジー』でデビュー。同作で「ガーディアン」紙のファーストブック賞を受賞、またフランク・オコナー国際短篇賞の最終候補となり、一躍注目を集める

小川高義[オガワタカヨシ]
1956年横浜生まれ。東京大学英文科大学院修士課程修了。東京工業大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

65
内戦状態、植民地時代から開放を得たジンバブエ(旧ローデシア)に待ち受けていたのは第一次世界大戦後のドイツのようなスーパー・インフレと独裁政治、急激な格差社会、エイズによる死亡率の増加だった。しかし、例え、階級が違えども人々は戸惑いと埋まらない虚しさを抱えつつも笑い飛ばしたり、愚痴を言ったり、密かに泣いたりしながら生きていかなければならない。「黄金三角帯の真ん中で」は過去に輝いていた栄光すらも今では役に立たないもので虚しさを埋めてはくれないということを示す。2015/10/02

タカラ~ム

21
ジンバブエの作家によるデビュー短編集。ジンバブエというと、独裁政権やハイパーインフレがあって、国民生活も厳しいイメージがある。本書に収録されている短編にも、そういう側面から描かれた部分がそこここに見受けられるが、あまり悲壮感のようなものなくて、主に描かれているのはジンバブエの市民たちの日常だったり人間関係だったりする。ときにユーモラスに描かれるその風景は、国も環境も全然違っているのに、どこか自分たちにも重なっているように感じた。2018/08/18

星落秋風五丈原

16
日本がデフレで大変だと言っていたレベルを遥かに超えるインフレの中を、ある種の諦念を持って生きるしかない人々をユーモラスに描く。一文一文にぴりっと知性が感じられる。2013/08/05

けいと

13
ー生きるということは人間性を犠牲にした冗談だージンバブエで暮らす人たちも私たちと変らず泣いたり笑ったり毒づいたりしながらいきてるんだな~2013/08/24

かもめ通信

11
物語の舞台はジンバブエ。 収録されているのは13篇の物語。 いずれの物語にも人びとの暮らしぶりが淡々と描かれている。 あえて静かなトーンで語ることで、愛や苦悩、憤りや妥協、希望やあきらめどを浮き彫りにする手法は、どこか遠い地で暮らしているであろう人びとの物語を読んでいるつもりだった私を、目の前でおこっているぐっと身近な話を見聞きしているかのように、物語の中に引き込んでいく。 ジンバブエという国とそこに暮らす人びとを、読み手にこれほど身近に感じさせるこの作家の次なる一手が、早くも楽しみになってきた。 2013/08/05

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/6830023
  • ご注意事項