Crest books<br> 愛の続き

Crest books
愛の続き

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  • サイズ B6判/ページ数 316p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105900212
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

内容説明

愛は続く。一方的に、執拗に。永遠に。「ぼく」につきまとい、病的なまでに愛を乞う男。その男の存在すら信じず、「ぼく」の狂気を疑う彼女―。孤独と恐怖、強迫的な愛の織りなす奇妙な三角関係。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まふ

106
「ド・クレランボー症候群」という同性愛における宗教愛を帯びた《被愛妄想》を描いたもの。本編はその具体的事例のような形で、不思議で迷惑な一方的愛の始終を描く。主人公の科学ジャーナリストであるジョーは気球体験飛行で生じた死亡事故の共同責任の念に駆られるがこの自責の念が並行的に語られる。終わってみればなかなかよくできたプロットであった。人間の精神の襞は歴史を重ねるにつれて複雑化し、原初化し、奥深く広範かつ微細に拡がるものと改めて感じた。G1000。2023/09/18

どんぐり

85
エロトマニア、別名クレランボー症候群。自分が相手に愛されていると思いこんでいる妄想性障害の青年ジェッドに「自分なしでは決して真の幸福が見つけられない」とつきまとわれるジョー。男にストーキングされ、次第に狂気じみた行動に出る。いったいどちらが常軌を逸しているのか、ジョーが銃を入手する最後までわからない。この作品は、『Jの悲劇』として映画にもなっている。マキューアン、これで6冊目。2017/03/01

akio

41
久しぶりのマキューアンにそうそう、これこれと感じました。理性と感情がありありと自意識過多気味に語りから溢れ、緊張感と苦しさに捕らわれたような読まされた読書でした(嫌いじゃないです笑)。「もっとも尊重される経験のひとつである愛が精神病と区別がつかないという事実は、時としてわれわれ人間には承認しがたい」。クラレンボー症候群を題材に描かれるのは愛の在り方。後書きの原題「endurng love」をどう読むかという考察が、作品を表しているようで面白いです。【G1000必読イベント】2017/05/18

Mishima

36
ずいぶんな話でした。巧妙に張り巡らされた伏線は、キリキリと神経に接触し形容できぬ感情の深みに突き落とす。ええ、効果的に。どれだけ、人間の感情の動きを熟知した作家なのだろうか。「愛」ですか。そうか、愛なんだね、これも。愛のない理解は、理解のない「愛」より耐えうる。マキューアン、また読みたい。Grs10002016/02/11

ゆきらぱ

27
これ良かった。気球の事故に居合わせた何人かがその出来事で人生が変わってしまう話。主人公夫婦、ジョーとクラリッサだけだったらジョーを愛してしまうパリーを交ぜた三角関係なだけだが、事故で死んだジョン・ローガンとその妻の話が入ることで地に足が着いた話になっている。ローガンの妻が良い。クラリッサは浮世離れしてるから…イアンマキューアンの描く女性はこんな感じの人が多いな…2019/03/28

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