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闇の中の男

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  • サイズ B6判/ページ数 237p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105217174
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

男が目を覚ますとそこは9.11が起きなかった21世紀のアメリカ──オースターが、9.11を、小説の大きな要素として描く長編。

ブルックリン在住のオースターが、9・11を、初めて、小説の大きな要素として描く、長編。ある男が目を覚ますとそこは9・11が起きなかった21世紀のアメリカ。代わりにアメリカ本土に内戦が起きている。闇の中に現れる物語が伝える真実。祖父と孫娘の間で語られる家族の秘密――9・11を思いがけない角度から照らし、全米各紙でオースターのベスト・ブック、年間のベスト・ブックと絶賛された、感動的長編。

内容説明

祖父と孫娘が、眠れぬままに語る家族の秘密と歴史―ポール・オースターが21世紀に生きる人すべてに贈る、闇の中の光の物語。全米各紙でオースターのベスト・ブック、年間のベスト・ブックと絶賛された、感動的長編。

著者等紹介

オースター,ポール[オースター,ポール] [Auster,Paul]
1947年、ニュージャージー州ニューアーク生まれ。若いうちから作家を志し、1970年代から詩、戯曲、評論の執筆、フランス文学の翻訳などに携わる。1985年から86年にかけて刊行された「ニューヨーク三部作」で一躍脚光を浴び、以来、無類のストーリーテラーとして現代アメリカを代表する作家でありつづけている。ブルックリン在住

柴田元幸[シバタモトユキ]
1954年生まれ。アメリカ文学研究者、翻訳家。アメリカ現代文学の翻訳多数。自著『生半可な學者』で講談社エッセイ賞、『アメリカン・ナルシス』でサントリー学芸賞、訳書『メイスン&ディクスン』で日本翻訳文化賞を受賞。文芸誌『Monkey』責任編集(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ガクガク

98
けったいな世界が転がっていく。9.11のなかったもう一つのアメリカ。そこでは激しい内戦が繰り広げられているが、その戦争は主人公が毎夜想像の中で作り上げている架空の物語なのだ。しかし、それが「もう一つの世界」として現実化し、物語の中の主人公の男は、その物語を空想する主人公の暗殺を命じられる。一方、現実の世界で空想する主人公は、苦しみ悩む娘と孫娘を抱え、自らも妻との離婚・再会を乗り越えてようやく生き直そうとしている。9.11以後のアメリカに対する期待と失望、批判が垣間見える。引用された『東京物語』が興味深い。2014/09/22

NAO

93
ニューヨークに住み、9.11で深い心の傷を負った老人と孫娘の話。あまりにも大きな惨事は、想像を絶する重さで多くの人の心にのしかかったまま心を蝕み、人はその呪縛から抜け出せなくなる。それでも、辛く、淡々と続く日々との中に、かすかな光が見えてくる。 2019/09/08

どんぐり

70
けったいな世界が転がっていく。「イスラム国は米国人記者のジェームズ・フォーリー氏の処刑映像を公開し、それを見た者には屈辱を与え、見ない者には恐怖を植え付けた」これは現実のいまの世界だ。9.11以降、死を伝える映像が繰り返し流され、ほかの映像で消してしまわないことには、どうやっても追い払えない闇の中の男が生んだ物語。小津の『東京物語』――いい人間だけが自分の善良さを疑う。悪い人間は自分の善良さを知っているが、いい人間は何も知らない。彼らは一生涯、他人を許すことに明け暮れるが、自分を許すことだけはできない。オ2014/08/26

トラキチ

64
原題"Man in the Dark"。幻影の書やオラクルナイトほど難解ではないが、作者得意の物語内物語を駆使して読者自身の人生を振り返ったり背中を押してくれる作品である。作者の作品を読み度に理解できるかどうか覚悟を決めて読む必要があり、その覚悟が心地よく自身の読解力を試すテストを受けているように感じる。 本作も短い長編ながら、色々なことが散りばめられていて、読者にとって有意義な読書体験をもたらせてくれるが、それには柴田氏のまるで作者が日本語で書いたかのように感じさせる翻訳力の高さが寄与しているのだ。 2020/03/24

ポルコ

56
東京物語を観直したら、やはり心に染み入った。ただブリックを無駄死にさせたのは何故だろう…てっきりオーガストとブリックが出会ってしまうファンタジー物語だと思ってしまった。でもソーニャとの若き日の話良かったな。読後感は清々しい! 2014/10/17

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