ティンブクトゥ

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  • サイズ B6判/ページ数 207p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105217112
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

犬のミスター・ボーンズと飼い主の詩人ウィリーは初めから気のあう仲間だった。放浪癖のあるウィリーは、一緒に旅をしながらぶっ続けで話をしてくれた。だからミスター・ボーンズは、言葉を理解出来るようになった。そしてウィリーはもう先行き長くない―。出会いの喜び、別れの悲しみ。犬の視点で、世界を描くことを成功させた、オースターの最高傑作ラブ・ストーリー。

著者等紹介

オースター,ポール[オースター,ポール][Auster,Paul]
1947年、ニュージャージー州ニューアーク生まれ。コロンビア大学を卒業後、石油タンカー乗組員、山荘管理人などの職を転々としながら翻訳、詩作に携わる。82年、初めての散文作品『孤独の発明』を書いたのち、85年から86年にかけて刊行された「ニューヨーク三部作」で小説家となる。以来着々と秀作を発表し、フランス、ドイツ、日本などでは本国アメリカ以上に評価の高い世界的人気作家として活躍している

柴田元幸[シバタモトユキ]
1954年、東京生まれ。東京大学文学部教授。専攻、現代アメリカ文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。

106
☆5.0 犬のミスター・ボーンズは考えた。優しかった亡き主人に再会するために一歩を踏み出そう。犬と飼い主の感動的な物語。犬のミスター・ボーンズが健気すぎる。2021/06/10

どんぐり

50
病めるご主人とともにボルチモアの街なかをとぼとぼと歩くミスター・ボーンズ、一部コリー、一部ラブラドール、一部スパニエルのごた混ぜのイヌがこの物語の主人公だ。飼い主のご主人の身体からは死の匂いが立ち、ミスター・ボーンズは、間もなく独りぼっちの犬となって路頭に迷うことになる。ご主人様と一緒に旅を続けるなかで、はたして新しい飼い主を見つけることができるだろうか。2013/08/09

市太郎

49
犬視点の小説。我が家の犬を撫でながら読んだ。この犬のように人間の言葉がわかればいいのにと思いながら。へっぽこ詩人ウィリーは、ちょっとイカレているが犬への愛情がある。少なくとも犬からすれば飼い主への愛や信頼は揺るぎないもののようだ。人生(犬生?)はうまくいかないもので、犬は転々とし新たなねぐらを見つけるが、仮にそこがそれなりに居心地が良く、新たな飼い主に良くしてもらえたとしても、犬は最初の飼い主への忠誠を忘れない。絶たれたとしても夢の中で繋がりを知る。彼の地へ夢のティンブクトゥヘ。我が家の犬が愛しくなった。2014/02/27

やま

41
数年前に英語で読み、今回邦訳で再読。犬の視点から描かれる小説。犬のミスター・ボーンズは人間の言葉を理解することができ、高い思考力を持っている。主人のウィリーとの別れと旅、新たな主人との出会い、ボーンズの純粋な思考が愛おしく、哀しくなってくる。犬の語りがすべてではなく、回想や幻想も適宜挿入され、不思議な感じで展開されていく。タイトルの『ティンブクトゥ』、行くつくことはできるのか。2015/10/31

Rin

26
【図書館】前半はなかなか物語に入り込めず、合わないのかなぁと思いながらペースが進みませんでした。でも中盤に入ってくるにつれ、ボーンズのウィリーに対する絶対的な友情や愛情。主人を亡くし絶望し、嘆き迷いながらも生きる姿にどんどん引き込まれていきました。ボーンズの思考は限りなく人間的で、彼の夢の中で交わされるウィリーとの対話も主人を思う気持ちが表れて、どれだけ絶対的な存在だったのかが伝わってきます。最後の最後にティンブクトゥに行けると信じ、犬としてボーンズとして、壮大なゲームに挑む姿は死を意識しながらも前向き。2014/11/29

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