• ポイントキャンペーン

奇跡の脳

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 227,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105059316
  • NDC分類 936
  • Cコード C0098

出版社内容情報

脳科学者の私の脳が、壊れた――。再生をもたらしたものは何だったのか?
ある朝、ハーバードの第一線で活躍する女性脳科学者を脳卒中が襲う。徐々に左脳が破壊され、歩くことも話すこともできなくなり、人生の記憶すらもが遠のいていく――。奇跡の再生を遂げるまでの八年間の苦闘を通して、脳に秘められた可能性と神秘を自らが解き明かす。アメリカで50万部の大ベストセラーとなった超話題作!

【著者紹介】
インディアナ州インディアナ医科大学の神経解剖学者。ハーバード脳組織リソースセンター(脳バンク)で精神疾患に関する知識を広めるために尽力しつつ、ミッドウェスト陽子線治療研究所(MPRI)の顧問神経解剖学者として活躍している。1993年より、NAMI(全米精神疾患同盟)の会員でもある。タイム誌の「2008年世界で最も影響力のある100人」に選ばれた。インディアナ州のブルーミントン在住。

内容説明

統合失調症の兄を持った「わたし」は、小さい頃から脳に興味を抱く。同じものを見て、どうしておにいちゃんとわたしは反応が違うの?努力の末に脳科学の専門家となり、ハーバードの第一線で活躍するわたしは、誰よりも脳について知っているはず、だった―。1996年のある日、37歳で脳卒中に襲われ、生活は一変する。左脳の機能が崩壊し、言葉や身体感覚だけでなく、世界の受け止め方までも変わったのだ。体力の補強、言語機能を脅かす手術、8年間に及んだリハビリ。そこでわたしが得たものとは、何だったのか。脳卒中になりうるすべての人に―。

目次

脳卒中になる前の人生
脳卒中の朝
助けを求めて
静寂への回帰
骨まで晒して
神経科の集中治療室
二日目 あの朝の後で
GGが街にやってくる
治療と手術の準備
いよいよ手術へ
最も必要だったこと
回復への道しるべ
脳卒中になって、ひらめいたこと
わたしの右脳と左脳
自分で手綱を握る
細胞とさまざまな拡がりをもった回路
深い心の安らぎを見つける
心の庭をたがやす

著者等紹介

テイラー,ジル・ボルト[テイラー,ジルボルト][Taylor,Jill Bolte]
インディアナ州インディアナ医科大学の神経解剖学者。ハーバード脳組織リソースセンター(脳バンク)で精神疾患に関する知識を広めるために尽力しつつ、ミッドウェスト陽子線治療研究所(MPRI)の顧問神経解剖学者として活躍している。1993年より、NAMI(全米精神疾患同盟)の会員でもある。タイム誌の「2008年世界で最も影響力のある100人」に選ばれた。インディアナ州のブルーミントン在住

竹内薫[タケウチカオル]
サイエンスライター。東京大学、マギル大学大学院卒。理学博士。「たけしのコマ大数学科」(フジテレビ系)の解説、「JAM THE WORLD」(J‐WAVE)のナビゲーターなど、さまざまな媒体で科学の普及活動に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

76
37歳で左脳に脳卒中が起きた脳科学者本人によるその経験と発見を綴る古典的名著の再読。今まで手出しできないと思っていた脳は、実際には色々選べることがわかった。左脳に障害を持ち、右脳の素晴らしさを涅槃ニルヴァーニャと例え、右脳マインドを「思いやり」と呼ぶ。今となっては90秒間怒りの回路が通り過ぎるのを我慢し、右脳の深い心の安らぎにいつでもアクセスできる。「悟りとは学ぶことではなく、学んだことを忘れること」なのだ。左脳の「する」、右脳の「ある」状態をいつでも呼び起こし、右脳マインドに踏み入ることを勧めている。2021/01/23

ぶんこ

62
37歳での脳卒中発症から、この本を執筆出来るまでになった著者。脳卒中患者の家族、医療関係者、周囲の人々に読んで欲しい。言語や運動能力が侵されたからといって馬鹿になったわけではない。幼子に接するような優しさで、刺激を与えすぎないで。普通の社会生活が、如何に刺激の強い世界かを実感し苦しんでました。確かに手術後や長い入院後は照明がきつく感じたり、ちょっとの振動や人声が耐え難い騒音になったものです。左脳が侵された事で、右脳マインドの存在に気付き、不思議な幸福感に充たされるとは素敵。ジルの母GGが素晴らしい。2016/08/28

SOHSA

50
なかなか興味深いサイエンス本であり、ノンフィクションだった。筆者の自己体験を通じて、右脳と左脳の具体的な役割の違いを明らかにすると共に、左脳が傷ついた状態(左脳が機能不全に陥っている)では、人間はどのように世界を認知し、解釈しているかをあきらかにしている。筆者自身が脳解剖学者であったことが、本書を科学的なアプローチから逸脱させない支えとなっている。この種の体験はとかく宗教的、形而上学的になりやすいが、その危険を巧みに回避しているところは素晴らしい。また、語句も平易で読み手に特別の専門的知識を求めて(→)2014/07/16

さと

45
人が生きていく中で様々な出来事が起き、悩みや苦しみを乗り越えた先に幸せがあると信じてきた。事実、世の中には幸福へのノウハウが溢れかえっている。しかし読み終えた今、私はこの脳と上手くやっていければ人生はいかようにでもなると思える、この脳を愛おしいとさえ思う。全ては自分が選択できる、しかも自分にとって好ましいものを選べる、私の指示をこの脳は忠実に理解し現実化しようとすると知ったらだ。私の脳は何でも創り出せる!輝かしい未来も絶望的な未来も…。それを決めるのは今自分を取り巻く環境も他者でもなく私の脳であり私自身2024/01/25

てんちゃん

35
脳科学者本人による脳卒中体験。専門化でなければ考えが及ばないようなところを意識して表現してくれているので、とても興味深かった。でも、著者が体験した右脳の世界があまりにも感動的だったためか、記述がくどいところも…。脳卒中の体験は、個々人の持つ個性によって様々かと思うので、主観的なことをあまり極端に語られると、ちょっと違和感を感じてしまう。けれど、それを差し引いても、医学的に価値のある本だと思うので、医療・介護関係者や、それを目指す学生には必修図書として読んで欲しい。2016/10/06

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/116770
  • ご注意事項