われらが歌う時 〈下〉

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  • サイズ A5判/ページ数 558p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105058722
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

70
ずっとアメリカで自由を勝ち取るための運動を続けていたルースが初めてヨーロッパに行ったときの言葉が、なんともいえない。「私がどこの出身かなんて、ここでは誰にも分からない。私がどうやってここにやってきたのかなんて、誰も気にしない。考えてみようとさえしない。なろうと思えば何にでもなることができる」その無際限の自由に、彼女は震え上がったというのだ。アメリカのあまりにも激しい人種問題。それは、今にいたるまで変わらない。

兎乃

44
同じ時・同じ場所を共有したとしても、個の記憶は その個の数だけ違う。「歴史」、近代~現代がクールな記号として整理されないのは ブレス、個々の呼吸、声に体温が残るからなのかもしれない。私は今「歌声」を聴く。内臓から喉元に込み上げる震えをもって その合唱を聴く。亡命ユダヤ人で物理学者のデイヴィッドと黒人音楽学生のディーリアが出逢い結婚、1941年天才テノール歌手となる長男ジョナ誕生、声楽コンクール1961年、ロス暴動1992年。パワーズは一音一音積み上げる。物理学・音楽・黒人解放闘争、見事な小説でした。 2013/07/19

のりすけたろう

33
すごいよかった\(//∇//)\🌟パワーズの翻訳されてる作品としては最後にこの作品を残しておいてよかったです。でも、読み終わってしまって寂しい。白人、黒人、混血、ユダヤ人、色々な要素が混ざり合って、パワーズらしい、最後に素敵な集結をする。また、泣いてしまった。゚(゚´Д`゚)゚。読み終わって、また、上巻のあの箇所を探して、読み比べちゃいました。しばらく、ジーンと余韻に浸りました。早く、新刊の翻訳されないかな💕2022/01/10

ゆか

30
最後の最後にそういう事だったのか…と。黒人である母親と父親であるユダヤ人の父親と音楽家の兄弟と、黒人差別と戦う妹の話だと思っていたので、最後にファンタジーな内容が入って来て、ん?と思ったと同時に救われたような気がした。黒人差別は日本人には知識としては知っているけど、馴染みのない話。辛い出来事ばかりの中で、くさってしまう気分になるのも当然。だけど、自分の子供がくさっていく姿を見るのは辛かっただろうな…。とにかく大量の文書量でした。2016/05/06

山口透析鉄

22
柴田元幸さんも現代アメリカで最も重要な小説家の1人と書かれていましたし、以前、購読していたみすず書房等の広報紙(ミネルヴァ書房・農文協との合同紙でした)でも「舞踏会へ向かう三人の農夫」が非常に大きく取り上げられていましたので……読んでそりゃそうだね、となりました。 この最初の長編や「ガラテイア2.2」等は購入済みですが、これも積ん読なので、なんとかしたいですね。 出会いの場面に収束される小説のラストの部分も大好きな作品ですね。オススメですね。2012/10/26

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