トラウマの国

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  • サイズ B6判/ページ数 245p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104738014
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

内容説明

「本当の自分」って、何なんだ!?「トラウマセラピー」で懸命にトラウマを探す人、「ユーモア学校」に入学したのに笑えない人、過激な「セックス本」に狂奔する女性、「田舎暮らし」や「資格」に夢中になる人…平成ニッポンの奇妙な精神性をユーモア溢れる筆で描き出す。

目次

トラウマへの道―本当の「自分」
ふつうの人になりたい―「子供」の作文
ゆとりの勉強―「教育」の空回り
生きる資格―「能力」の時代
もっとユーモアを―「話し方」の学校
Simple & Clear?―ビジネスマンの「英語」
お金の気持ち―「地域通貨」の使い道
妻の殺意―「夫婦」の事件
愛の技法―「セックス」を読む女
生きざま革命―「日本共産党」の人びと
せわしないスローライフ―「田舎暮らし」の現実
自分とは何か―「自分史」を書く

著者等紹介

高橋秀実[タカハシヒデミネ]
1961年、横浜市生まれ。東京外国語大学モンゴル語学科卒。テレビ番組制作会社勤務を経てノンフィクション作家に
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ばんだねいっぺい

29
 会話のなかで軽く「トラウマだよねー」とか言う分にはあれだが、「じゃあ、あなたのトラウマは?本当の自分は?」と尋ねられれば答えに詰まる。小学校の頃って、結構、タイトなスケジュールだったんだなー。くつろぎが欲しくなるわけだ(笑)2019/02/10

阿部義彦

13
私と同じ歳のノンフィクション作家、高橋秀実さんのコラムエッセイです。何とも物悲しい脱力感が著者の持ち味か。トラウマは筒井康隆の小説で「心的外傷」として、頭には入っていたけど、近年ここまで市民権を獲得するとは思いませんでした。また、トラウマのせいにすると小説が書きやすくなるので、安易に殺人の動機としての「トラウマ」の大安売り!山田詠美さんなんて憤慨して、私は死んでも小説でトラウマなんて書きません!とまで啖呵を切る始末。まさにイノブタでなくてトラウマになってしまいます。物悲しくも面白いエッセイでした。2018/06/30

高橋 (犬塚)裕道

11
星3.5。一つのテーマで書かれた本ではありません。雑誌等に書かれたものを集めたものです。なので各章のつながりが見えなくて最初は戸惑った。 でも面白かった。トラウマがなくては人ではない!位に思い込んでしまう人々、あるかないか分からないトラウマを見つけ出し取り除くことに歓びを見いだす人。 その他色々な現実と重いとの狭間で食い違いに悩んだり、諦めたりする人々の小さなボケというかガッカリに小さく突っ込む作者が面白い。 それにしてもトラウマなくしては、挫折なくしては人ならざるのか?2019/11/10

厩戸皇子そっくりおじさん・寺

7
読友さんの感想を読んで興味が湧き手に取る。高橋秀実の本を初めて読んだ。十年程前の日本の少しいびつな世界をルポルタージュ。それぞれ平和ボケの姿と言えばそれまでだが、妻のDVや田舎暮らしの実際等、考えたら結構深刻に至る内容もある。あっさりとした記述と邪魔にならないユーモアが良い。資格の話なんて同感だ。日本共産党には脱力。カバーや本文のカットも可愛らしい。この人の他の本も読んでみたい。良かった。2013/05/02

今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン

3
2005年出版の本なのに、すごい昔のことのように感じられる出来事の数々。この頃はこういう現象が現れだした時だったのかな。さぞかし物珍しい感があったかもしれないけど、いまやすっかり日常と化しているのだろう。解釈はあまりされてないですが、個人的に一番納得したのは「せわしないスローライフ」。エコやロハスやスピをやりながら、ちっとも楽そうに見えない人がいっぱいいるよね、いまは。2012/05/13

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