明治の表象空間

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明治の表象空間

  • 松浦 寿輝【著】
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  • 新潮社(2014/05発売)
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  • サイズ A5判/ページ数 735,/高さ 23cm
  • 商品コード 9784104717026
  • NDC分類 210.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

世界は全て表象である。現在の原型たる明治の政治・経済・文学……あらゆるテクストを踏査する決定的大著。十余年に及ぶ知の集大成。

世界はすべて表象である――。執筆八年。知の決定的大著、ついに刊行! 表象とは、思考によって反復される「現在」である。近代の行政制度・法体系・歴史記述・イデオロギー・そして文学。太政官布告から教育勅語まで、博物誌から新聞記事まで、福沢諭吉から樋口一葉まで、明治期の言説アーカイヴの総体を横断的に俯瞰し、現代に直結する表象空間のダイナミズムを剔抉する21世紀の「知の考古学」。

内容説明

行政制度・法体系・言語システム・博物誌・イデオロギー、そして文学。太政官布告から刑法典まで、教育勅語から国語辞書まで、社会進化論から新聞記事まで、歴史記述から抒情詩まで、諭吉・兆民から一葉まで。明治の言説アーカイヴの総体を、徹底したテクスト読解を通じて横断的に俯瞰し、現在に直結する「表象空間」のダイナミズムを浮かび上がらせる知の決定的大著。

目次

「国体」という表象
第1部 権力と言説(予防―内務省と警察(1)
仁愛―内務省と警察(2)
定位―戸籍(1)
逸脱―戸籍(2)
網羅性―新律綱領・刑法(1)
有限性―改定律例・刑法(2)
抽象化―旧刑法・刑法(3)
混淆―漢文体(1)
アイロニー―漢文体(2)
プラグマティズム―福沢諭吉(1)
啓蒙―福沢諭吉(2)
演戯―中江兆民(1)
地滑り―中江兆民(2)
正論―中江兆民(3)
新旧―中江兆民(4)
暴力―中江兆民(五))
第2部 歴史とイデオロギー(科学―博物学(1)
外圧―博物学(2)
分類―システム(1)
秩序―システム(2)
例外―システム(3)
革命―システム(4)
条理―進歩史観(1)
優劣―進歩史観(2)
不徹底―進歩史観(3)
大勢―進歩史観(4)
天―天皇(1)
転移―天皇(2)
命令―天皇(3)
無比―天皇(4)
快楽―無意識)
第3部 エクリチュールと近代(牢獄―北村透谷(1)
内部―北村透谷(2)
欠如―北村透谷(3)
不可能―北村透谷(3)
奇蹟―樋口一葉(1)
狂気―樋口一葉(2)
婦徳―樋口一葉(3)
禽獣―樋口一葉(4)
過剰―幸田露伴(1)
怪物―幸田露伴(2)
離脱―幸田露伴(3)
リアリズム―幸田露伴(4)
現在―福地桜痴(1)
浅薄―福地桜痴(2)
情報―福地桜痴(3))
総括と結論(セリー1=理性;セリー2=システム;セリー3=時間;結論)

著者等紹介

松浦寿輝[マツウラヒサキ]
作家、詩人、仏文学者、批評家。1954年東京都生れ。1976年東京大学教養学部教養学科フランス分科卒業。1980年同大学院仏語仏文学専攻修士課程修了。1981年パリ第3大学にて博士号(文学)取得。2002年東京大学にて博士号(学術)取得。2012年東京大学大学院教授を退任。紫綬褒章受章。『冬の本』(青土社、1987高見順賞)、『吃水都市』(思潮社、2008萩原朔太郎賞)、『afterward』(思潮社、2013鮎川信夫賞)、『花腐し』(講談社、2000芥川龍之介賞)、『あやめ鰈ひかがみ』(講談社、2004木山捷平文学賞)、『半島』(文藝春秋、2004読売文学賞)、『平面論一八八〇年代西欧』(岩波書店、1994渋沢・クローデル賞)、『折口信夫論』(太田出版、1995三島由紀夫賞)、『エッフェル塔試論』(筑摩書房、1995吉田秀和賞)、『知の庭園一九世紀パリの空間装置』(筑摩書房、1998芸術選奨文部大臣賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

gorgeanalogue

17
長かった。いろいろ知らないことが書かれていて、部分的に新鮮なところもあったが、結局は冴えているとは言えない「逸脱した・裸形の・穴」を「出来事」の寓意として称揚する80年代フランス文学者の「感情教育」で、そのポストモダンを復習しながらの行論にも文体にも魅せられない。その「つまらなさ」は著者の小説『半島』に似ている。一葉論の通り一遍さには鼻白む。結論の「この本もまた理性的な言文一致体で書かれねばならなかったことにアイロニカルな無力感」には意気阻喪する。「明治の表象空間」なら、明朝体から始めるべきだろうに。2022/12/21

ひばりん

3
ダメな本を読んだ。読むこと/書くこと/思考することを一元化する言文一致体という近代精神を批判し、近代に回収されない文学的実践を透谷らに見出していくわけだが、そもそも思考と読み書きが一致したことなど歴史的にあっただろうか?思考は前言語的な感覚を多分に含んでいるし、言語も思考を超える。末尾で「この本もまた理性的な言文一致体で書かれねばならなかったことにアイロニカルな無力感を覚える」旨が告白されるが、無力感を覚えるのは徒労した読者のほうである。日本語書きとして無力ならば、批評や創作を諦めて引退したほうがいい。2020/11/19

鏡裕之

2
カント、ヘーゲル、ベンヤミン、ドゥルーズなどの哲学者の言葉や考えを引用しているが、非常に中身が薄い。東大教授を務めていたことはあって学識はあるが、あまりにメタレベルが低く、分析も浅くて、読むに耐えない。神の視点のように全編を貫き通す統一的な思考は、微塵も感じられない。力量不足メタレベル不足のフンコロガシが、明治の表象空間というでっかいフンを転がそうとして、その重さに潰れてぺしゃんこになりました、という一冊。場当たり的な理屈と衒学と冗長に突き合わされるだけ。タイトルは『松浦の冗長無能空間』と改題すべき。2014/09/25

Shosei

1
表象とは?読み始めはタイトルの意味さえ理解できていませんでした。明治初期。国体、新律綱領、教育勅語、帝国憲法によって国民思想が形成された過程を説き、薬草学から生物学への変遷をたどり、兆民や一葉の作品から当時の社会を読み解く。一見無関係の諸相が、読み進めるうちに連関し、冒頭で作者の言う「表象がかたちづくっていた意味作用のネットワーク」が腑に落ちてきます。当時は発達途上の日本語で書かれた表現=表象を読み説き並べることで近代日本の成り立ちを描出し、巻末でそれが現代日本と地続きだとする作者の筆の運びにゑひました。2019/12/29

天婦羅★三杯酢

1
ようやく読了。明治という時代の豊穣さを、文学者の文章のみならず内務省の文書やら当時の新聞やらまで総動員して表している。もっと読みこなすためには多分あと10年ぐらいは図書館にこもりっきりになって本書が参照する全ての本や文書に当たらないといけないんじゃないかとは思うけど、さすがにそれだけやるとそれだけで人生が終わる。ある意味、この本さえ読んでしまえばそこまでやらなくてもいいというだけでも、この本を読む価値はあるのだろう。2014/06/22

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