脳と仮想

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  • サイズ B6判/ページ数 222p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104702015
  • NDC分類 491.371
  • Cコード C0010

内容説明

数量化できない微妙な物質の質感=クオリアをキーワードとして、意識の問題に切り込み続ける気鋭の脳科学者が提示した新しい概念「仮想」。心とは何か。どこから生まれてくるのか。小林秀雄を出発点として、漱石、一葉、ワグナー、柳田国男、三木成夫…幾多の先人の痕跡を辿りながら、近代科学が置き捨ててきた「心」の解明へと迫る、脳科学の最到達点、画期的論考。

目次

序章 サンタクロースは存在するか
第1章 小林秀雄と心脳問題
第2章 仮想の切実さ
第3章 生きること、仮想すること
第4章 安全基地としての現実
第5章 新たな仮想の世界を探究すること
第6章 他者という仮想
第7章 思い出せない記憶
第8章 仮想の系譜
第9章 魂の問題

著者等紹介

茂木健一郎[モギケンイチロウ]
1962年東京生まれ。脳科学者。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー、東京工業大学大学院客員助教授(脳科学、認知科学)、東京芸術大学非常勤講師(美術解剖学)。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程を修了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て現職。クオリア(意識のなかで立ち上がる、数量化できない微妙な質感)をキーワードとして、脳と心の関係を探求し続けている。現在では、文芸評論、美術評論に取り組むなど、新境地を広げつつある
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感想・レビュー

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おさむ

37
テレビでお馴染みの茂木さんですが、著作は初読。清少納言、夏目漱石や柳田国男、小津安二郎などの作品をときにモチーフにしつつ、「現実」と「仮想」の成り立ちを徹底的に考えた重厚かつ難解な論考でした。「考える人」に連載されていただけあります(笑)。小林秀雄賞というのも頷けます。2016/07/13

踊る猫

27
愚直という言葉が似合うと思った。ストレートな言葉を好み、歯に衣着せぬ物言いでズバズバと脳のメカニズムについて、そして心が私たちに見せる現実と仮想という現象について切り込んでいく。その言葉は時に哲学や文学や民俗学といった学問に急接近し、ジャンルを縦横無尽に越境する。知的冒険のスリルが味わえる反面、その語り口が時に粗暴に働きやしないかともヒヤヒヤしてしまうが、彼の勇敢さや進取の精神は見習わないといけないなと思う。そして、果敢に敵を作って満身創痍になるスタイルも(いや、これは見習う必要はないかもしれないかな?)2023/02/05

あっきー

16
⭐3 エッセイ風で取っつきやすく著者の考えを分りやすく知ることができた、どシロウトには理解できないヤヤコシイ本を書く人にはこんな解説本も同時に書いてほしいものだ、共感できる所は多かったが新しい刺激は少なめかな、三木茂夫という人が紹介されていて面白そうなので緊急確保した2021/09/27

志田健治

2
(帯)そんなに文学的かなあ……。思い出しても、いまいち印象がないのはどうしてだろう。2012/02/25

tk

2
縦横無尽。人にとっての世界とは自分が知覚しうる範囲での事象の集合であるという意味で、人にとって世界とは脳である。養老孟司の『唯脳論』を読んでみようと思った。2011/05/31

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