心に狂いが生じるとき―精神科医の症例報告

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  • サイズ B6判/ページ数 249p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104701032
  • NDC分類 493.7
  • Cコード C0095

内容説明

突然訪れたかに見える、精神の変調。そこには日常に潜む、誰もが見落とす「きっかけ」が―。人はどのようにして「心の病」に罹患するのか?狂気への淡い境界を越えるとき、身体には何ごとが起きるのか?「うつ」「アルコール依存」から「アスペルガー障害」「統合失調症」まで、重度へと陥った具体例を数多く提示、自分だけは大丈夫だと錯覚している人たちに警鐘を鳴らす。臨床経験豊富な現役医師が詳細に分析。

目次

第1章 依存の果て
第2章 架空の敵
第3章 罪なき殺人者
第4章 摂食障害というゲーム
第5章 無垢な逸脱
第6章 器質性精神病
第7章 精神鑑定の嘘
第8章 うつ病の不都合な真実
第9章 アナンカスト

著者等紹介

岩波明[イワナミアキラ]
1959年、横浜市生れ。東京大学医学部医学科卒。医学博士。精神保健指定医。東京都立松沢病院を始め、多くの精神科で診療にあたる。東京大学医学部精神医学教室助教授、藍野大学設立準備室、埼玉医科大学精神医学教室准教授を経て、2008年より昭和大学病院精神科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キムチ27

42
近代では不可侵領域の色彩が強かった精神病はありふれた状況になってきている・・とはいえ、欧米では長い歴史を持つ司法精神医学においての真の専門家はいない⇒筆者のコメント。ほんとにそう、広汎性発達障害の問題も少年法との絡みも含め、詳細の部分が解っていない。種々の身近な症例を取り上げ、決してマスコミっぽくはない解説がなされており、「気楽」に読める。日本社会の特性ともいえる「集団から離脱することを好まない、群れから離れた存在を無視する」傾向がともすると知的ジャーナリズムの積極的加担となりがちなことを指摘している。2016/01/26

くらげ@

7
(☆☆☆☆)症例集。特に見立てなどがあるわけでもないけれど、とても興味深く読めました。ふとした瞬間、それはやってくるのかもしれない。他の本も読んでみたいです。2012/10/16

るうるう

5
読みやすい。症例も詳しく、退院後の経過についても触れている。冷静で、多方面との比較や海外の研究も引用した書き方は、海外の翻訳本を読んでいるよう。裁判で精神鑑定が用いられた例、被告のその後の処置、最近の法律改正等、興味深く読んだ。精神障害とは何なんだろうか、そもそも正常とは何か、正常であるのは運がよいことなのか・・・薬物治療が主になるのは精神医学だからか。親との関係が最大の問題のような症例も見られたが、それは精神科医から見ると最大の問題ではないのだろうか? 難しいな。2017/02/04

アルゴン

3
★★★★ 事例が多く、特にこういった本をあまり読んだことがない人にはとっつきやすいと思います。もっとも、予備知識なしでよむと少々刺激が強いかもしれませんが。しかし9年前の本とはいえ、日本の精神鑑定の雑さ加減には寒気を覚えます。2017/07/18

live-gon(リベゴン)

3
読みやすいけど重い。実話だと思うとずーんとしてしまう。内容はよかった。本文でもちらっと触れられてるけど、司法の精神鑑定の質は上げていかないといけないよな。2012/08/03

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