東京島

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  • サイズ B6判/ページ数 281p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104667024
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

32人が流れ着いた太平洋の涯の島に、女は清子ひとりだけ。いつまで待っても、助けの船は来ず、いつしか皆は島をトウキョウ島と呼ぶようになる。果たして、ここは地獄か、楽園か?いつか脱出できるのか―。食欲と性欲と感情を剥き出しに、生にすがりつく人間たちの極限状態を容赦なく描き、読者の手を止めさせない傑作長篇誕生。

著者等紹介

桐野夏生[キリノナツオ]
1951年金沢市生れ。成蹊大学卒。93年『顔に降りかかる雨』で江戸川乱歩賞を受賞する。98年『OUT』で日本推理作家協会賞、99年『柔らかな頬』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、04年『残虐記』で柴田錬三郎賞、05年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

108
生々しさに包み込まれているようでした。無人島に生きる人々の姿を心の韻と本音で描き出していると思います。何もない環境の中、感情だけが全ての世界。そこにいたのはただ1人の女性とその他大勢の男性だったからこそ成り立つものがあったのでしょう。喜怒哀楽があったかはわかりませんが、極限状態になっていたというのだけは確かだと言えますね。2017/05/20

takaC

104
4月になってから朝ドラで毎朝木村多江を見ていたら久しぶりに『東京島』が読みたくなり、未読で積読の単行本を引っ張り出してきて読んだ。まあ、内容は既に把握しているので前の時みたいな盛り上がりもなく淡々と読んでおしまい。2016/04/17

ちはや@灯れ松明の火

91
地に堕ち腐爛した南国の果実の粘つく臭気が絡みつくように、彼等はじんわりと壊れていく。漂流の果てに辿り着いた南海の孤島、三十数名の男とたった一人の女、天然の牢獄に収監された囚人達。文明という脊椎を抜き取られ現代人の表皮を剥がされた人間は本能の枷を外し曝け出す。悲嘆の果てに命を落とす者、妄想の世界に足を踏み入れる者、そして己が持つ手段を最大限に利用して生に執着する者。生命と引き換えに魂の何処かが壊死していくのを鼻で嗤い飛ばすが如く。納豆風と呼ばれる腐臭を孕む風が、今日も島と囚人達に吹く。2010/06/12

れいぽ

87
読み進めるのも大変な程ドロドロしているのかと思いきや、意外とあっさり読めた。清子の、ある意味適当な行動(でも、それはサバイバル本能に長けていたともいえる)に右往左往する草食系男子チームという構図が、無人島という舞台でうまく機能していたと思う。壊れていく人、達観する人、と極限状態での描写も上手いですねー。トーキョー島があと何千年か経った後、この清子を巡る顛末はギリシャ神話のように人間くさい神の話しに昇華するのだろうか。2010/12/10

りか

62
久々に桐野さんの本を読みましたが読後感がよくないです(笑)無人島でサバイバル生活を送る内容なんですが、人間関係のドロドロよりも野性的な生活の描写がグロかったです(;_;)今の生活に感謝です。2010/10/25

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