事変の夜―満州国演義〈2〉

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  • サイズ B6判/ページ数 414p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104623037
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

軍部の暴走をめぐり対立する太郎と三郎、流されるままに謀略馬賊として軍に協力することとなった次郎、自分の犯した罪のため上海に潜伏する四郎…四兄弟の苦悩をあざ笑うかのように満州、そして上海で戦火が炸裂する。四つの視点がつむぎだす満州クロニクル、「満州事変」を描く第二巻。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

レアル

83
読み始めたら他の本を挟めなくなるくらい、物語に入り込んでしまう面白さ。前巻に続き、4兄弟が紡ぐ物語。それにしてもこの物語を紡ぐにあたり、この4兄弟のキャスティングの素晴らしさ。其々の視点からの満州は、より物語を重厚なものへと仕上がっていく。良い本を貰ったなぁ。。さてこの巻は事変勃発。抗日が続く中、兄弟たちも其々の立場で苦悩し錯綜していく。次巻はとうとう建国。今は物語よりも4兄弟の行方の方が気になる。2015/06/04

キムチ27

38
船戸氏は昭和19年の生まれとあるから、体験して綴った文ではない。だが執筆に駆使した資料の紹介を見ると凄い分量、まさにそこに身を埋没させて描いた作品と感じいる。文中、戸樫が四郎に語るシーン「人の本性は理性でも悟性でもなく獣性だ」とある。平和な世なら問題あるこの言葉、2巻の背景の時代ならではだ。満州、上海事変を経て、満州国設立の前夜までが描かれる。巻末、余り登場場面のなかった次郎がみそぎでもするかのように身を清める・・何やら嫌な予感がするけど。関東軍らと軍閥、政商、政治家全てが悪の化身に映って仕方ない。2014/11/05

いくら

30
柳条溝事件から満州事変、上海事変を経て、いよいよ満州国建国へとむかう第二巻。四兄弟それぞれの立場から描かれることで、満州に絡む様々な思惑を抱く者、力の均衡に翻弄される者、たくさんの登場人物も結構整理できて読める。馬賊の次郎の見せ場はあんまりなかったけど、かなりの緊張感を持って最後まで読んだ。当時の日中韓(鮮)の関係も興味深い。2014/04/30

藤枝梅安

28
満洲事変、上海事変を経て、「満州国」建国前夜までを描く。小説と言うより歴史の参考書のようで、「楽しんで読む」という対象ではない。「満州国演義」のここまで2巻は週刊新潮に連載されたものに何と500枚の加筆・修正を施したもの。政府と軍部のせめぎあいが敷島家の長男・太郎(外交官)と、三男・三郎(関東軍憲兵)の兄弟の確執として描かれ、馬賊としての生き方を捨てようとする次男、良心を失いつつある自分に危機感を抱く四男の苦悩が重なり、日本とアジアの苦難の歴史とオーバーラップする。第三巻は書下ろし。苦しいが読み続けよう。2010/09/16

KAZOO

24
かなり時間軸を長くとっており当時の状況がこの主人公4兄弟の動向とともに描かれています。上海事変をはじめとして様々な事変に陸軍が絡んでいるような書き方で興味を持ちつつ読んでいます。満州国がどのようになり日中戦争のこ結末はある程度予備知識があるので今後主人公たちがどうなっていくのかに興味が持たれます。2014/06/07

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