長寿大国の虚構―外国人介護士の現場を追う

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  • サイズ B6判/ページ数 235p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104468027
  • NDC分類 369.26
  • Cコード C0095

出版社内容情報

外国人介護士の国内受け入れはなぜ、介護地獄解消の切り札とならないのか。その背後にある政官利権の構造と、国の構想力の欠如ぶりを詳細ドキュメント。

内容説明

急速に高齢化が進む日本社会。このままでは二〇一四年には五十万人もの介護労働力が不足するという。そんな中、二〇〇八年から外国人介護士の国内への受け入れが始まったが、この制度も介護地獄解消の切り札とはなりそうもない。何が問題の解決を阻むのか。インドネシア、フィリピン現地徹底取材。「介護の闇」に迫るドキュメント。

目次

プロローグ 同床異夢の“介護開国”
第1章 楽園の向こう側―フィリピン介護難民
第2章 ジャパニーズ・ドリームという幻想―介護ヘルパーになったフィリピーナたち
第3章 官僚の罠―外国人介護士を跳ね返す行政の壁
第4章 招かざる客―初手から潰されたインドネシア人介護士受け入れ
第5章 虚妄の「移民国家論」―日本を見限る外国人介護士たち
第6章 国民不在を招いた「政治」の機能不全―“票”につながらないテーマであるがゆえに
エピローグ 外国人「研修制度」と同じ過ちを繰り返すのか

著者等紹介

出井康博[イデイヤスヒロ]
ジャーナリスト。1965年、岡山県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。英字紙「ザ・ニッケイ・ウィークリー」記者などを経てフリー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ようはん

9
ちょうど10年前に出た本なので現在は改善された面はあるのかも知れないが、フィリピンやインドネシアから来た外国人介護士を受け入れる体制や教育がまだまだ不備で外国人介護士が日本で安定して働く事の困難さがよく分かった。また第1章で身寄りのない日本人高齢者がフィリピンのマニラ郊外の施設でフィリピンの介護士による介護を受けていた話も衝撃を受けた。2019/06/18

nonpono

5
介護に関心があり手に取った本。14年前だから制度は変わったと思うが切実さより迫る。ニュースを見たときも思ったが、期限付きの介護福祉士の資格取得を条件に異国から労働者を呼ぶのは無理がある。よく都会の介護施設に入れない人が地方に移住して介護施設に入る話は聞くが、フィリピンの介護施設に入る日本人がいることに驚く。そして2005年にフィリピンパブへの受け入れが厳しくなり、介護に矛先を変えた人々がいることも。だけどフィリピンパブで働いていた女の子達が結婚して介護の職を目指すという現実。日本の行く末はどうなるんだろう2023/09/05

おじ

4
『外国人労働者を「入れる、入れないか」を論じる時期はもはや過ぎた。これから真剣に議論すべきは「どういった入れ方が最も好ましいのか」ということだ。』2015/05/02

akubineko

4
超高齢社会の日本。日本人でも難しい介護福祉士合格を条件に、恒久的に日本で働くケアワーカーを、外国から入れるという。これまでも、祖国に帰れば何の役にも立たない労働研修生制度があるが、介護の現場でも、同じ愚を繰り返すことになるらしい。官僚や政治家は現場も見ないし、その施策がどういう影響を及ぼすかの想像力もないらしい。誰も幸せになれないシステムばかり作って、この国は、いったいどうなっていくのだろう。2010/09/11

takao

3
ふむ2023/12/13

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