出版社内容情報
放射能の仮置場はやがて瑠璃色の光を放つ山になった。震災後二年、福島に住む僧侶作家が人々のリアルな姿と心情を結晶させた六短編。
震災後二年、福島に住む僧侶作家が描く、魂の叫びと遍歴。震災を深く静かに物語る、短篇集。「ホーシャノー、持ってきていいって、本当かね」汚染土や葉を積み上げた仮置場はやがて、瑠璃色の光を放つ山になった(光の山)。三歳の小太郎は、DNA鑑定を受けに警察署に来ていた。身元不明の遺体の中に父はいるのだろうか(小太郎の義憤)。過酷な運命を必死に生きる人々のリアルな姿と心情を結晶させた六つの短篇。
内容説明
怒涛というしかない奔流が船や家や木や人々を呑み込んで流れ去った。避難所で毛布にくるまる娘は発電所勤務の彼を思う…(あなたの影をひきずりながら)。三歳の小太郎はDNA鑑定のために母親と警察署に来ていた。津波で亡くなった身元不明の遺体の中に父がいないかを確かめるために(小太郎の義憤)。経営していた結婚式場が壊され、除染作業をしながら仮設住宅に住む山口に、久しぶりに結婚式の依頼があったが…(拝み虫)。震災から30年後の福島。汚染された土や葉を積み上げた仮置場を守る爺さんがいた。そこはやがて、瑠璃色の光を放つ山になった…(光の山)。震災後二年、福島在住の僧侶作家が全身全霊をこめて放つ全六篇。
著者等紹介
玄侑宗久[ゲンユウソウキュウ]
1956年、福島県三春町生まれ。慶応義塾大学中国文学科卒。様々な仕事を経験した後、京都、天龍寺専門道場に入門。現在は臨済宗妙心寺派、福聚寺住職。2001年、「中陰の花」で第125回芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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