内容説明
乳がんの発病、余命3か月の宣告…しかし、妻はホスピスから奇跡的に退院し、濃密な3年を生きて、逝った。生の歓びと死への怖れ。克明に描かれた、ある夫婦の10年間の記録。
目次
1 勝ち目のないたたかい(発見;病院嫌い;楽しい田舎暮し ほか)
2 ホスピスにて(帰りのない旅;心の重圧から解放される;「かならず痛みはとります」 ほか)
3 奇跡の生還とおまけの時間(取り戻された「普通の生活」;放免された死刑囚;闘病記を書く ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
岡本正行
30
この著者、他の本で感動して、偶々読んだ。奥様を40歳代で癌発症、治療やホスピスで治療、いったんは回復したが、再発して亡くなった。つらさ、厳しさをいい文章で表している。癌の看病ってこうなんだ、進行具合、病院や医師の姿勢、ホスピスでの在り方、そしてキリスト教への入信、一時的な回復期での奥様自身、著者の心の変遷、いつか私も家族を病気で失う。父や母は認知症ながら90歳過ぎまで生きた、当然、意思の疎通は無くなった、自分は、そうありたくない。死ぬ直前までは自分の意識を持っていたい、ただ生物的に生きているだけでなく。2023/05/28