内容説明
午前五時四十六分。地の底から響くゴウッという深い音とともに、払暁の国際商工業都市を襲った激震、震度7。一瞬のうちに万物は崩壊、生き埋めとなり、燃えひろがる火災のなか、間一髪で助け出された一女性が、それから直面しなければならなかった、激震以上に怖るべき「現実」―。あの「震災」のすべてを生活者の眼で描ききり、この世の「限界状況」に肉薄する長篇小説。
著者等紹介
小田実[オダマコト]
1932年、大阪生。アメリカ留学と一日一ドル世界旅行の記録『何でも見てやろう』(61年刊)で広く認められ、65年からベトナム戦争終結まで、「ベトナムに平和を!市民連合」の中心的存在として活躍。97年、「『アボジ』を踏む」で川端康成文学賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。