生命の意味論

生命の意味論

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  • サイズ B6判/ページ数 243p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104161010
  • NDC分類 461
  • Cコード C0045

内容説明

私はどうして私の形をしているのか。遺伝子が全てを決定しているというのは本当か。男と女の区別は自明なのか―。「自己」とは何かを考察して大きな反響を呼んだ『免疫の意味論』をさらに発展させ、「超システム」の概念を言語や社会、都市、官僚機構などにも及ぼし、生命の「全体」にアプローチする画期的な試み。

目次

第1章 あいまいな私の成り立ち
第2章 思想としてのDNA
第3章 伝染病という生態学
第4章 死の生物学
第5章 性とはなにか
第6章 言語の遺伝子または遺伝子の言語
第7章 見られる自己と見る自己
第8章 老化―超システムの崩壊
第9章 あいまいさの原理
第10章 超システムとしての人間

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Takeshi Kambara

11
世界的な免疫学者である多田富雄氏が自身の提唱する「超(スーパー)システム」という概念について分かりやすく書いた本。科学の知識が皆無な私にも面白く読むことが出来た。 細胞、DNAレベルから始まった生命の話から人類の社会や文化との関連付けも面白い。 女性は「存在」だが男性は「現象」にすぎない、という性別の話は非常に興味深かった。2015/08/24

那由田 忠

4
 95-6年著作で97年出版、購入もその時だったのにようやく読んだ。当時はアポトーシスやテロメアも衝撃だったはずだが、今や常識。自己組織化も当たり前となっているので十数年の科学の発展を感じるものの、自己と非自己を分ける免疫システムが、遺伝子の数的限界を無限に拡大する仕組みが面白い。遺伝子が同じでも同じ身体は存在しないのである。目的をもったシステムとは異なる、自己組織化で複雑に発展したものを超システムと呼んでいるようだ。その意味で、都市と生命は同じだと。今で言えば複雑系と言えばいいのかな。2013/11/13

鴨長石

3
「超(スーパー)システム」とは、つまり自ら生成しながら複雑化・組織化していくような集合体であるということだ。存命中に具体的な学術理論にはどうやら落とし込めなかったようだが、アイデア自体は決して捨てられるようなものではないと思う。最終章で敷衍したように、もし「一般超システム論」が作れれば生物学を超えて言語・都市・大学・官僚といった社会的な事象にも応用できる凄まじい普遍的理論になるだろう。2021/03/17

123456789wanko

3
DNA解読等兎に角バラバラにして要素を調べることで全てを理解できるという思想があり、一方でやはり全体のシステムとして考えなければ理解できないのではないかという思想が出てきた。その流れの中で出された本。2011/11/19

kama-chan

2
「免疫の意味論」の続編として書かれた「新潮」連載の記事をまとめたもの。前作では自己と非自己とを分ける免疫から生命の意味を考えたものだったが、本作はより一般的な生命現象、そしてそれらの生物学と民族・文化の歴史的な背景を踏まえた記述になっている。内容も前作より多様であるが、一般読者にとっては、専門的な理解と読み進めは厳しいのではないか。ただ、生命科学を専門的に学んだ人にとっては、大変興味深い内容であり、特に、歴史・文化的な記載は大変参考になる。斜め読みだったので、再読の意味もこめて、手元に欲しい一冊。2014/12/06

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