介護現場は、なぜ辛いのか―特養老人ホームの終わらない日常

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  • サイズ B6判/ページ数 251p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104083046
  • NDC分類 369.26
  • Cコード C0095

出版社内容情報

その施設は、信頼できそうに見えたのだが……。終の棲家の知られざる現実。
苛立つスタッフ、荒っぽい介護、低下するモラル。職員も入居者も、心をすり減らす24時間……。ヘルパー2級を取得、時給850円で働いた作家が実感した「老いの現場」の苦闘、高齢者の本音、そして希望。人は介護を受けるために生きているのではなく、生きるために介護を受けるのだ――。老親を持つ世代必読のノンフィクション。

内容説明

時間に追われ苛立つスタッフ、荒っぽい介護、低下するモラル。職員も入居者も、心をすり減らす24時間…。ヘルパー2級を取得し、時給850円で働いた作家が実感した「老いの現場」の苦闘、高齢者の本音、垣間見える人生の断面、そして希望の可能性。人は介護を受けるために生きているのではなく、生きるために介護を受けるのだ―。介護のいまを考え直すノンフィクション。

目次

序章 扉が開いて
第1章 「混沌」への招待
第2章 強ストレス職場の日々
第3章 「高齢」という現実
第4章 真夏の夜の夢
第5章 モラルハザードのはざまで
第6章 出られない人たち
終章 せめてもの未来を

著者等紹介

本岡類[モトオカルイ]
1951年生まれ。早稲田大学卒業後出版社に入社。81年「歪んだ駒跡」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。取材をもとにした多くのエンターテインメント作品を執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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kinkin

46
今の介護保険制度とはいったい誰にメリットがあるのだろう? 介護できる人が介護される人を優しく安全にテキパキと介護しお互いそれに見合った報酬と暮らしを授かることが本当だと思う。しかし世間一般、また本書にも書かれているように実際はとても過酷な状況だ。最後に著者は「介護現場の問題は当たり前のことを当たり前にやっていない、それは財政難が理由だということ。」介護という仕組みはあっても現場にはマニュアルなどなく、昔の徒弟制度よろしく見て慣れて覚えるという状況のようだ。高齢化が進む中今後どうなるのかとても気になる。2015/02/14

masa

38
作家である著者が親の介護の一助になればとヘルパー2級を取得して、時給850円で5ヶ月働いた特養ホームの生々しい現場を綴ったルポ。「人様の役に立つ仕事」の実態は、びっくりするようなハードワークと低賃金(50歳で手取20万円!)で人材流失(離職率25%!)が止まらない。高い志を持って付いた職業が我慢、我慢の連続で、将来に希望が持てないとなれば、介護する側も、される側もとても不幸なことだ。『人は介護を受けるために生きているのではなく、生きるために介護を受けるのだ』現実を突き付けられ、非常にやるせない。151092015/07/05

rokoroko

20
実際の介護現場でのルポなので生々しい。でも介護の世界ってこんな感じ。本当につらいよね。と追体験。退職して本当に良かった!と思う。このような現場に人は残るのかしら2024/02/06

瑪瑙(サードニックス)

17
きつい職場と言われている介護の現場。少し前の話ですが、著者が実際に体験した特別養護老人ホームでの日常が描かれている。とても淡々と描かれていてわかりやすく、そして、介護現場の問題も浮き彫りに。ある意味、命を預かる職場でありながらマニュアルが無い事に驚いた。入居者自身の記録も入居当時のままで書き加えられていないなんて!それだけ介護者に余裕がないという現実ですよね。国は介護保険制度を導入してそれで終わりではなく、もっと実情に沿った改革をしてほしいと思う。高齢化社会、庶民にとっては他人事ではないのだから。2013/04/26

ミキベル

15
ちょうど母の施設を探している時に読んだので辛いものがあった。著者が実際に5ヶ月特養で働いて感じたノンフィクション。今の現実、仕組みではどうしようもないのか、悲しくなる。決してみんながそうであるとは思わないが、実際に見た2つの特養も入居者が人として感じられず、気持ちの面でも空間でも閉鎖的…。待ちの多い入居者や家族よりも、介護者が辞めない様に対応するという声も聞かれた。心に余裕のある介護が出来る環境になることは出来ないものか。介護を必要としている人はどんどん増えている。将来が怖い…。2015/08/12

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