ゼツメツ少年

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  • サイズ B6判/ページ数 397p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104075126
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

「生きる」ことに苦しんでいる全ての人へ捧げる、再生と救済を描いてきた重松清作品の集大成にして、究極の親子愛を描く感動巨編。

これは、あなたが読んだことのない重松清――本当の救済がここにあります。小説家であるセンセイに、ある少年から旅の詳細を記した手紙が届く。それは、生き抜くために家出をした三人の少年少女の記録だった。しかし現実の彼らはある事故に遭っていた――。ナイフさん、エミちゃん。手紙にはセンセイの創作した人物まで登場する。これは物語なのか、現実なのか。全ての親へ捧げる、再生と救済の感動巨編。

内容説明

小説家のもとに、少年から謎の手紙が届く。「僕たちはゼツメツしてしまいます」少年2人、少女1人、生き延びるための旅が始まる―僕たちをセンセイの書いた『物語』の中に隠してほしいのです。ゼツメツ少年からの手紙は届きつづける。でも、彼らはいま、どこにいるのか。「大事なのは想像力です」手紙は繰り返す。やがて、ゼツメツ少年は、不思議な人物と次々に出会う。エミさん。ツカちゃん。ナイフさん。このひとたちは、いったい、誰―?

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

扉のこちら側

118
2016年401冊め。どうせ感動するんでしょう読む前からもうわかっているよ、とちょっと心がささくれ立っている時なんかは反抗期の中学生のようにすら思ってしまう「THEいい話」の重松作品。加えて、複数の過去作品の主要キャラがゲスト出演してくるだなんて、もはや反則級だ。これで心を動かされないはずがない。それぞれの悲しみによって、このままでは絶滅してしまうと助けを求める少年達に、作家の「センセイ」は彼らを物語の中に逃がして生かすことにする。中盤に結末の想像をしていたのに、最終章で予想を裏切られた。再読必須。2016/06/13

風眠

114
家にも学校にも居場所が無いタケシ、ジュン、リュウの小中学生3人。ある日、小説家のセンセイに「ゼツメツしそうな僕たちをセンセイの作品の中で救って欲しい」と手紙を書く。人間にとって居場所が無いということは、想像を絶するような息苦しさの中で生きていかねばならないということだ。少しずつ、でも確実に、消されていく現実を説明するのに、ゼツメツという言葉以外に考えられるだろうか。二重三重の入れ子式となっているラスト、作り事の物語の中だけれど、「現実」ではなかった仕掛けに救われる気持ちだ。絶望と悲しみを昇華させた物語。2013/11/02

mizshnami

112
つらく、悲しく、切ないだけでは済まされない。決して他人事ではなく、架空でもない。人と関わって生きている以上、自分のこととして自分の身近な人のこととして受け止めなければならない。過去に絶滅した生物たちのことも含めて、あらためて人間の恐ろしさ、愚かさ、無力さを付きつけられたような気分です。親として教師としておとなとして今一度考え直していきたいと思います。2015/01/01

Baro

100
不思議なつくりの小説です。ゼツメツ少年たちの魂を救うための物語なのだと感じました。でも,読み終わった今,心が重い。重いです。2013/12/02

ここまま

99
『理屈で説明のつくことだけが真実なら、人はなぜ、あんなに夢中になって様々な物語に読みふける?』そう、大切なのは想像力だ。いじめを苦に自殺した子供のニュースをたびたび聞いては、わが子だったらと心を痛めてきた。これは、つらく悲しい気持ちを抱えて逝ってしまった子供たちに対する手向けの物語だ。ハッピーエンドの物語をたくさん読んでも、現実は変わらないかもしれないけれど、想像力を使って、きっとやってくる素敵な未来を信じる力を育てよう。重松さんの小説家という仕事に対する矜持を感じた作品でした。夢中で読み続け涙で読了。2014/01/17

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