ねじれた絆―赤ちゃん取り違え事件の十七年

ねじれた絆―赤ちゃん取り違え事件の十七年

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  • サイズ B6判/ページ数 313p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104049011
  • NDC分類 916
  • Cコード C0095

内容説明

昭和四十六年沖縄―看護婦のミスにより、生後まもない赤ちゃんが取り違えられた。だが、それは悲劇の始まりに過ぎなかった。病院との裁判、子供の再交換、悩み抜いた果てに実行した二家族の「合体」。愛娘誕生から六年後に取り違えに気づいた二家族それぞれの生きざまを十七年間にわたり克明に取材した感動のノンフィクション。

目次

第1章 他人の子
第2章 血と情のはざま
第3章 それぞれの選択
第4章 裁かれた絆
第5章 裸足の出会い
第6章 食卓のない家族
第7章 それから
第8章 不信
第9章 壮大な実験工房
第10章 未完の結論

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころりんぱ

41
なかなか考えさせられる内容だった。沖縄という地域性も関係して、六歳で取り違えが発覚した後、それぞれの実の子と交換し、両家が親密に交流しながら、失われた時間を取り戻すべく子育てをしていく。この本を読んで、親の苦しみ、この苦しみ、子育ての難しさがよくわかった。血の繋がった子だからと言って、すぐに愛し合えるかと言うとそうではないのだなと。改めて家庭環境、親の愛し方って、こんなにも違うものかという事を、まざまざと見せつけられた。取り違えられた成人後の2人の心境や、生き方がそれを表していた。2013/11/26

かおりんご

33
二つの家族を翻弄した「取り換え」事件。私だったら・・・とか、もし学級に取り換えられた子がいたら・・・とか思いながら読みました。結局、片方は生みの親に馴染んで、もう片方は育ての親と離れがたく。近くにすんで、行き来を頻繁にしたのが、こうなる要因だったのでしょうか。親の養育の違いや、家庭環境の大きな変化も影響を与えているとは思いますが。映画のようには、いきませんね。2014/08/28

ツキノ

8
衝撃の書だった。映画「そして父になる」鑑賞&ノベライズ読了後に読む。両家の親たちの育った環境から出会いに至るまでを丹念に描いているのもいい。子どもがどれだけ親を必要としているかがわかる。血よりも時間、というのは映画でも言及されているけれど、そのことのいい実例。しかし「正解」はない。2013/10/29

とかまこ

4
親の立場からすれば、たとえ1か月でも何年であっても、我が子と信じて触れ合った時間はなかったことにはできない。子供は、物ごころつかない時期であれば、記憶に残らないかもしれない。このケースは子供の自我が出来上がっている6歳で、その親と子が離れ離れになること想像するにあまりある。血か情かなど選べるはずもない。全国に何件も、このようにつらい経験をした家族がいることを、この本で思い知らされた。取材を受けて、語ってくださったこの家族に感服する。2014/02/01

ふくぷく

4
映画「そして父になる」を見た後で読んだ。実の子か、育てた子か、どちらか一方を選ぶとは実に残酷な話だ。ひとつとして同じ家庭はないのだから、あちらの取り違え事件で成功した方法が、こちらの取り違え事件で成功するとは限らない。きっとそこには正しい方法なんて存在しない。どの道を辿ってもその道を良しとして歩むしかないのだろう。2013/10/18

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