薬指の標本

薬指の標本

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  • サイズ B6判/ページ数 208p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104013012
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

靴みがきは予言した。“今すぐ脱がなきゃ、逃げられない。絶対にこの靴はお嬢さんの足を自由にしないよ”―標本技術士から贈られたその黒いハイヒールには恐ろしい秘密が隠されていた…。あまりにもフェティッシュな、そしてあまりにも純粋な恋愛をひそやかに語る表題作ほか。日常の裂け目に絡めとられてしまう女を独特の透明感漂う文体で描く珠玉の二篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

クリママ

47
表題作含む中編2編。サイダー工場の機械に挟まれ薬指の先を切断し、標本室に仕事を変わる。奥の使われていない浴場での標本技術士との不可思議な時間。技術室から出てこない少女が気になる。プレゼントされた靴は足と溶け合いそうだ。恋愛小説、か。それにしても、標本にすれば、思いは断ち切れるのだろうか。2016/12/11

Die-Go

41
図書館本。初小川洋子作品。訪れる人を優しく包み込んでくれる標本屋と六角形の小屋。それぞれの静かな物語。★★★☆☆2015/11/23

ブルームーン

30
表題作と「六角形の小部屋」の2編からなる短編集。表題作は何となく主人公の行く末が予想出来てしまうが、あえてそこまでは描かれていないのでちょっとモヤモヤ感が残る。「六角形の小部屋」も同じく着地点がいまいち分からずモヤッとする。文章は美しく、スラスラ読めるが私には理解しにくい世界観。2014/07/27

UK

27
静かな静かな筆致なのに心が不穏にざわめいて仕方がない。表題作と「六角形の小部屋」の2編。いずれも淡々として平和、暖かそうでいてしんしんと不気味なお話である。距離を置いて眺めれば、いずれも無意味とも言える風景なのにあやしく琴線に触れてくる。小川洋子、あんまりこの靴を長く履いていると脱げなくなって危ないかもね。2016/10/23

ヒロくま

23
表題作(薬指の標本)は弟子丸氏の蒼髭っぷりにドヒャとなったが、主人公にも静寂の中に狂気を感じた。この世界観、私は好き。(六角形の小部屋)は、行方を追いたくなる主人公の気持ちが痛かった。短編2つ、どちらも知らずに迷い混んでしまった世界に、心地よく沈み込で行くような感じが良かった。2015/04/08

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