現代人は救われ得るか―平成の思想と文芸

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  • サイズ B6判/ページ数 426,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103909132
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0095

出版社内容情報

≪暴力によって、犯罪によってしか、現代人は結びあえないのか≫――昭和天皇大喪の礼から『1Q84』まで、平成年間のリアリティ(現実感覚)を根底から問う批評の冒険!

内容説明

暴力によって、犯罪によってしか、現代人は結びあえないのか―江藤淳『成熟と喪失』から四十三年、今、我々は新たな時代精神の出現を目撃する。昭和天皇大喪の礼から『1Q84』まで、平成の現実リアリティ感覚を根底から問う批評の冒険。

目次

第1章 平成年間ははじまったのか(平成の時代精神;もし野村秋介と中上健次が生きていれば;オウム真理教の絶対他力;阪神大震災が顕わにした国家の実相;地震で破壊された故郷に立つ村上春樹)
第2章 「子供」という存在への問い(舞城王太郎は子供の世界にとどまる;写生文的時間の拒否―佐藤友哉;情報処理のプロセスとしての「現在」―保坂和志;「無責任」という使命―島田雅彦;一緒にコンビニに行く親子―長嶋有)
第3章 「仏界」と「魔界」の現在形(平成の川端康成―堀江敏幸;日常のなかのデュオニソス空間―川上弘美;「ごっこ」の世界は終らない―江國香織)
終章 現代人は救われ得るか(『1Q84』世界の絶対善と悪)

著者等紹介

福田和也[フクダカズヤ]
1960年東京生まれ。慶應義塾大学文学部仏文科卒。同大学院修士課程修了。慶應義塾大学環境情報学部教授。89年、ナチス・ドイツ占領下のフランスのコラボラトゥール(対独協力)文学についての研究『奇妙な廃墟』(国書刊行会・ちくま学芸文庫)でデビュー。93年、新潮社刊『日本の家郷』で三島由紀夫賞を受賞。以後、『甘美な人生』(ちくま学芸文庫)で平林たい子文学賞、『地ひらく』(文春文庫)で山本七平賞、『悪女の美食術』(講談社文庫)で講談社エッセイ賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

冬薔薇

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再読とはチラとも思わず読了。普通どこかで気づくのに、記憶力ゼロに大驚き。いつか村上春樹を一から・・・2011/06/13

つのが

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舞城のところだけ2011/05/26

nari

0
小説もそんなふうに読むと、違った世界が現れてくるなあと、バカみたいに感心したり。平成という世は、やはり空虚なのか。2010/08/09

devour

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連載中は分からなかったけど、まとめて読むとゆったりとした流れの中にじわりと「平成」の像が浮かび上がってくる。目的地(結論)を持たずにさまようんだけど、そこで出会うものとの応答の中で、その捌き方の中で、その旅の姿がはっきりとしてくるような。2010/07/10

rinrin

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⑧ 信頼できる批評家だと再確認2010/07/08

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