ハゴロモ

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  • サイズ B6判/ページ数 171p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103834045
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

失恋の痛みと都会の疲れを癒すべく、故郷に舞い戻ったほたる。雪に包まれ、川の流れるその町で、これまでに失ったもの、忘れていた大切なものを彼女はとりもどせるのだろうか―。言葉が伝えるさりげない優しさに救われるときはきっとある。人と人との不思議な縁にみちびかれ、自分の青春をあらたにみつける静かな回復の物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

美登利

68
不倫の恋をしたこともないけれど、こんな奇妙キテレツな親や友達も居ないけれど。喪失感は私にも経験あり。長くて暗くて辛いトンネルの中にいても、生きて一歩ずつでも前に進めば、必ず抜けられる時が来るのだろうと思えます。この作品も区切りがなく、川のように流れていく文章ですが、登場人物にしっかりとした芯があり、気持ちのぶれがなくて、差し出がましくもなく、ほんのりと温かい。不思議なつながりの話は、現実的にもあることだと思います。決して夢物語、スピリチュアルな世界だけの話ではないと思うし、私はとても好きな物語でした。2015/05/18

優希

54
苦しみとか重さが抜けていくような感じがしました。自然との感応のような作品で、とても優しさに満ちています。失恋からゆっくり立ち直る時間が、辛さもあるけれど愛おしくもありました。心の中にグッとくる感じもあるんですけど、物語自身が心地よさがあるので、何かに包まれているような感覚になります。話としてはちょっと切ないはずなのに癒されますね。何かに傷ついても、ゆっくり回復すればいいと言われているような気がします。力が抜け、心がふっと軽くなりました。2014/08/31

はな*

17
「人の、意図しない優しさは、さりげない言葉の数々は、羽衣なのだと私は思った。いつのまにかふわっと包まれ、……」(P53)ばななさんの綴る言葉はまさしく羽衣のようでした。内容は、傷心の女の子の再生のお話。傷を癒してもらっているつもりが相手のことを癒すことにもなり(まるで羽衣がお互いの間を浮遊しているように)、そうやって少しずつ前に進んでいく皆。そんな皆をそっと応援しながら読了しました。ほんとうに、やさしいお話でした。→2015/06/17

ばいきんまん

15
'14.6-23(112)雨の日や真夜中のひっそりした時間に読むのが似合う。途中、難しくて何度読み直しても理解しきれない箇所(特にるみちゃんの言葉)もたくさんあったけれど、みんな優しくてみんな仲良しだ。別れた二人も喧嘩別れしたわけじゃないし。あとがきにあるように、読んで何かを受け取るのではなく、苦しみや重さをおろす本。『どうか、ゆっくり時間をかけてくださいね。私も、お手伝いできることはしますから。』2014/06/22

そんれい

14
不倫相手から一方的に別れを告げられ、ふるさとに帰ってきたほたるは、祖母や友人の母らの愛情につつまれながら心の傷を癒し前に進もうとする。「人の意図しない優しさは、さりげない言葉の数々は、羽衣なのだと私は思った」川の流れのように静かに時が流れて行く。2020/12/22

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