出版社内容情報
まだセンチメンタルな旅は終わっていない――死と手をたずさえて生きている写真家が本気で「書き」下した、写真で綴る死(私)小説。
「まだセンチメンタルな旅は終わっていない」――写真で綴る処女小説。震災後、被災地に赴いてカメラを向けることをかたく否定し、あくまでも都会に留まりながら、ひたひたと押し寄せる死の気配を写し取ることを選んだ荒木。自身もまた年齢を重ね、癌に冒されながら、生の中にある死を、日常の中にある此岸と彼岸をカメラで切り取ってゆく――写真家が本気で「書き」下した、写真による死(私)小説。
内容説明
「センチメンタルな旅」はまだ終わっていないんだ。「死を生きる」―写真で綴る“純文学書下ろし”作品。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
林 一歩
24
荒木さんの写真には何かしら死の強烈な匂いが染み付いており、心穏やかに拝見することが出来ない。センチメンタルは旅は、多分ネバーエンディングなんだろう。2014/06/21
gtn
9
ところどころに挟まれる訃報。しかし、何も変わることなく、街の日常と裸体という営みが繰り返し続いていく。2019/09/14
菊蔵
7
うっと思うくらいグロテスクさと陰りと生々しさと禍々しさを感じた。アラーキーの撮る写真はファッション雑誌などで見るモデルさんが笑顔でーというソレとは全然違う。見る度にそれをまざまざと感じ、本を持つ指の先からゾワゾワと泡立つものが体中に広がっていく心持ちがする。見終わって少し気分が塞いだ…。2013/11/27
wknwkn
5
タイトルから読み物だと勘違いして借りてしまいました。写真の良し悪しってのが、私にはとんとわからないのですが、なぜこうもアラーキーの写真はぐっとくるのでしょう。2014/08/29
eMI-sAN
3
★★★★☆【2013】全ての写真のどこかに「死」が隠れているのかな…?と考えながら見る。中年女性、肥満女性のヌードが生々しくて好き。2015/11/11