出版社内容情報
劇場型宗教リーダー、実務派ブルドーザーとして生き、死しては民間信仰の主柱となった男。その生涯を歩き、日本宗教史の道標を辿る。
空海は二人いた。民間信仰に息づく弘法大師を含めると、つまりは三人か。劇場型宗教リーダーとして、国土経営のブルドーザーとして生き、死しては民間信仰の柱として日本人の心を捉えてやまぬ男。わが国の形而上学の基礎を築いたのみか、治水事業の指揮まで執った千二百年前のカリスマ。一人の人間にそれを可能にしたのは一体何だったのか――。空海の足跡を??村薫がカメラ片手に辿る思索ドキュメント。
内容説明
空海は二人いた―そうとでも考えなければ説明がつかない…。わが国の形而上学の基礎を築き治水事業の指揮まで執った男。外国語を自在に操り、実学をも掌中に収め、万巻の先端情報を母国にもたらした男。千二百年のむかし一人の人間に、それら凡てを可能にしたもの。それは後進国ゆえの使命感かはたまた天の導きか。カリスマの足跡を辿りその脳内ドラマを追う作家の眼。カメラ映像70点とともに21世紀を生きる日本人の精神の奥底を浚う。
目次
第1章 千二百年の時空を遡る
第2章 私度僧の時代
第3章 入唐
第4章 空海、表舞台に躍り出る
第5章 二人空海
第6章 空海、弘法大師になる
第7章 高野浄土
第8章 祈りのかたち
第9章 再び高野へ
第10章 終着点
特別対談
著者等紹介
高村薫[タカムラカオル]
わが国を代表する小説家、言論人。『黄金を抱いて翔べ』で日本推理サスペンス大賞を受賞して作家デビュー。『マークスの山』で直木賞を受賞、以降も数々の文学賞に輝いた。『晴子情歌』『新リア王』『太陽を曳く馬』の長編三部作が注目を集め、殊に『新リア王』は、親鸞賞を受賞するなど、仏教界に衝撃を与えた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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