新リア王〈上〉

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  • サイズ B6判/ページ数 475p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103784043
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

父と子を隔てる壁はかくも高く険しいものなのか。
旧世代は去れとお前たちは言う。
改革、改革と威勢ばかりは一人前だ。
だがしかし、お前たちの胡散臭い現実主義には理想の欠片すら断じてありはしない!

1987年、55年体制にピリオドが打たれた、その冬の三日間。

永田町から失踪した老政治家が王国を追われて秘かに訪れたのは、禅僧となった息子の草庵だった。
宗教と政治の奇妙な対話は熱を帯び、「はんにゃはらみた」「ぎゃあてぃ」と核燃料廃棄物施設の是非論とが地吹雪の中で激しく交錯する。

内容説明

55年体制を生きた政治家の王は80年代半ば、老いて王国を出た。代議士の父と禅僧の息子の、魂の対決。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

114
この作品は「晴子情歌」に続くもので、その前作で最高学府を出た主人公は大学に残らずに漁船に乗りこんでいましたが、故郷に戻り僧侶となります。ここでは本当の父親である青森県出身の政治家と僧侶となった人物との対話が行われます。対話といっても独白の様なものが延々と続きます。とくに政治家の方は青森県の人物は仮名となっていますが、80年代後半の田中派に属し、国会や事務所でのやり取りでは大平派や福田派の人物が出てきたりします。また僧侶の方は、永平寺での修行などが事細かに記されなぜここのお寺に来たかが語られます。2023/01/24

ダイ@2019.11.2~一時休止

92
福澤彰之その2。前作にあった旧字が無い分読みやすくなった。下巻に続く。2016/01/16

あさひ@WAKABA NO MIDORI TO...

76
高村先生、難解すぎます。自分の理解レベルを遥かに越えた内容の書物を読むことがこんなにも辛いのかということを、思い知らされた気がします。好きな作家だけに、ここまできたら残り半分、苦行に耐えてみようと思います。2018/03/03

レアル

72
「春子情歌」が母子で手紙のやり取りなら、こちらは父子の語りなのね。それにしても福澤家とは何と複雑でややこしいのか!本冒頭部分にある家系図を眺めながら読んだ。政治家の父と仏の道に入った息子。この政治と仏教の話も興味深いが、一族の登場人物の人間描写も上手い。父子の語りが延々と続いた上巻。三部作の二作目。下巻の行方も「春子情歌」と同じなのか、それとも違うのか!等いろんな事を考えながら下巻へ。。 2015/05/29

i-miya

70
2010.08.23 (装画) レンブラント/『金の鎖をつけた老人』(1632) (装幀) 多田和博。(謝辞) 中村一彦―青森の選挙資料。木村修一郎-むつ小川原開発、地元の目。相馬芳勝-80年代の自民党。松岡弘城-政治哲学全般への示唆。二宮章-80年代不動産投機。藤田庄一-仏教界当世事情。矢口隆博-僧侶と仏教寺院の今。三橋半蔵・イツ夫妻-筒木坂普門庵(現・新昭寺)管理者。三村申吾-永田町・青森県政総合案内。2011/01/10

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