晴子情歌〈下〉

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  • サイズ B6判/ページ数 356p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103784036
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

戦前から戦後へと続く母・晴子の回顧と独白は、彰之自身の記憶の呼び声となって波のごとく重なり、うねり合う。母はなぜこうも遠いのか。母とはいったい何者か。薄れゆく近代日本の記憶と、或る母子の肖像。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ダイ@2019.11.2~一時休止

97
結局母は息子に何が言いたかったの?自分には難しすぎた?2016/01/11

i-miya

40
2010.05.02- (謝辞) 筒木坂、土場・江差、初山別(鰊漁)、野辺地・八戸、北転船(スケトウダラ漁)、サケ・マス漁、イカ漁、遠洋マグロ漁、地誌全般。東北、北海道各地の歴史、地勢、風土、産業について多くの方に謝辞。第3章 野辺地。 1. 昭夫に連れられ野辺地駅到着、市街地を半里ほど歩く。2010.05.03 福澤家、大番頭、鳴海安次郎。勝一郎の正妻、お母(が)さま、(大奥さま)、彰之、お前の祖母、福澤キヨ。通り土間へ。2010/08/15

fishdeleuze

25
福澤家サーガの第一作。晴子の書簡が主となっている。彰之に宛てた(彰之は晴子の息子で、大学卒業後遠洋漁業船に乗っている)旧字旧仮名使いで書かれた手紙は、単なる書かれた言葉たちであることを超えて饒舌で、すぐそばに晴子自身を、その体温や吐息、存在そのものを感じ、訴えかけてくるようだった。これは何かと言えば、単純だが、感情という心の動きがどれだけ人の心を動かすものなのかということなのだろう。感情がは身体さえを持ち、時に理を凌駕し、読む者を激しく揺さぶる。それこそが小説か。 2018/01/06

coolgang1957

23
濃いなあ、晴子さんだけ飄々としてるのかなぁ。(この表現は合ってるのかどうか…)みんなどこかで挫折してる人たちの話か。文学、理学・労働運動、学生運動・芸術、戯曲、漁・政治、経営・宗教etc.盛りだくさんで考え過ぎてるんちゃうかなぁ。やっぱり濃い。今はそれぞれ細分化して深耕化してるから逆に薄く感じてるのか。あ〜〜❗️て叫びたくなるねえ、この本。2019/06/15

モリータ

11
◆私にとっては近代日本人の自画像とか、旧字体で書かれた手紙とか、戦争や労働のディティールとかはどうでもよくて、もし、現実にはありえない程に母(=最も近い他者)が流されるまま生きてきたという意味での奔放な来歴と内心をぶちまけたら、彼女のことが完全に理解できるのか?という問いに対して、知れば知るほど分からなくなり、かつ、分かるとすれば他者も自己も徹底的に寂しく孤独ということ、と読みました。◆「振動、波動、共振」といったキーワードはよいとして「渾然」「隠微」といった形容詞が頻出するのはどうかな。2018/05/27

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