Miyuki Miyabe early collection
パーフェクト・ブルー (新装版)

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  • サイズ B6判/ページ数 329p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103750086
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

地元の高校球児のスター・諸岡克彦が、謎の死を遂げた。それは、全身にガソリンをかけられ、火だるまになるという残忍で奇怪な事件だった。偶然その場に居合わせた、弟の進也、蓮見探偵事務所の加代子、そして“俺”は、その死の謎を解き明かすべく捜査を開始する。元警察犬“マサ”の視点で描く、宮部みゆきの単行本デビュー作。

著者等紹介

宮部みゆき[ミヤベミユキ]
1960年、東京生まれ。87年「我らが隣人の犯罪」で「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、89年には『魔術はささやく』で「日本推理サスペンス大賞」を受賞。同年、『パーフェクト・ブルー』で単行本デビューした。ミステリから時代小説まで、物語性の高い作品世界で、幅広い層に愛される国民作家。1992年『龍は眠る』第45回日本推理作家協会賞、『本所深川ふしぎ草紙』第13回吉川英治文学新人賞。1993年『火車』第6回山本周五郎賞。1997年『蒲生邸事件』第18回日本SF大賞。1998年『理由』第120回直木賞、第17回日本冒険小説協会大賞国内部門大賞。2001年『模倣犯』第55回毎日出版文化賞特別賞。第52回芸術選奨文部科学大臣賞。2007年『名もなき毒』第41回吉川英治文学賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

星群

37
俺の名前はマサ、元警察犬。今は、蓮見探偵事務所の加代ちゃん一家の元にいる。オレは、警察ってとこに居たから、よく人間の残酷な部分を見てきたよ。けど、今回は特に酷いものだった。純粋に野球に夢をみる少年達を喰い物にする、パーフェクト・ブルー。どうか、こんな哀しい事が二度と起きないようにと願って、夏の蒼い空に向かって吠える。2012/10/14

Junna.S

20
高校野球界のエースが、凄惨な殺人事件の被害者となった。犯人と思しき元チームメイトは自殺し、事件は幕を閉じたように見えたのだが―。宮部さん、単行本デビュー作。スピンオフである「心とろかすような」からこちらへ。「パーフェクト・ブルー」という綺麗な名前からは程遠いその内容と、事件の裏の醜すぎる人間模様に気分が重くなり、読後感はイマイチだった。犬目線の視点は斬新(当時としては、かなり)だし、内容も複雑に練りに練られている感じはあるが、初期の作品ならではのザラツキが感じられた。これは間違いなくスピンオフ作品に軍配。2015/08/06

みゆき・K

18
語り手は、今は探偵事務所に勤務する元警察犬のマサ。珍しい設定だが違和感なく読めた。赤電話が出てくる随分前の作品なのに、日本人の同調圧力や連帯責任は、今も全然なくならないんだな。まるで軍隊みたい。「人間というのは、永遠に一本立ちしない生き物」というマサの言葉に頷く。ストーリーは面白い。さすが宮部さん。ミステリーの中に高校野球、ドーピング、企業のモラル等の社会問題を絡めるあたりが上手い。この問題も相変わらず昔と変わってない。ただ、克彦の死因とどんでん返しには無理があると思う。親がそこまでやるかなぁ。2022/05/06

ひかる

15
人気の高校球児が焼き殺されるという衝撃的な事件が起こる。元警察犬のマサが飼い主である探偵事務所の女の子と事件の謎を追っていく。犬目線ということが興味深く手に取ったが、犬であることをもっと活かした展開や推理がもう少し欲しかった。マサが犬とは思えない。全体的にドタバタとしていて緊張感もなく、かなりエンタメだなあといった印象。展開が早くテンポはいいので爽快ではある。難しいことは考えずに楽しめる。宮部さんの長編デビュー作らしく、ここから数々の名作を生み出すようになったんだと思うとすごい成長です。2018/12/10

凡人太郎

14
語り手に犬を選んでいますが,その意味が掴めません。 宮部作品の傑作「火車」にある期待と緊張感を求めましたが,平凡でした。 また,語感が粗く感じられたのは,宮部さんの最初の頃の作品だからでしょうか。 2013/03/20

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