内容説明
年をとるのは侘しいけれど、無理せず自然に暮らしていたい―。夫婦ふたり暮らしの日常、在宅介護・尊厳死・葬儀の方法など直面する様々な問題…。自由に、心やさしく、毅然と生きる83歳の老いの実感を綴る心豊かなエッセイ。
目次
老いるということ
遊ぶって、なに?
身体の躾
忘れる
いたわりあい
棄てられる
間に合わない
引っ越しさわぎ
葬送の自由を
髪を慈しむ
聴こえることの大切さ
独りの会話
ぼけない心意気
“張り合い”ということ
家風
人づきあいそれぞれ
「もったいなさ」とケチくささ
言葉のトゲ
惜別譜
看護婦さんへの期待と感謝を―
内裏雛からの回想
陽気な老夫婦
亡母の憶い出
生きのびて今…
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
空飛び猫
7
楽しみながら人生を過ごすこと。 ずっと一緒にいたいと思うこと。 老いや死について、どうとらえるか。2016/01/16
ロータス
1
手元供養の本に「沢村貞子さんは夫の死後彼の遺骨が入った骨壷を居間に置き、毎日話しかけていた」と書かれており、そこまで愛した人との暮らしはどんなものだったのだろうかと興味を持ったので読んだ。文章の端々から感じられる夫への愛情と、そこまで愛した人の死を彼女がどれほど悲しんだかに思いを馳せ、二人が揃って散骨されたことは必然だったと理解した。「自分の死を心ない人々に邪魔されるのは御免だ」。同感。2021/05/30
一彩
1
「他人の暮らしに踏み込まないかわりに,自分の暮らしにも入られたくない。」 いいかげんがいいな。2016/11/25