内容説明
散る前にせめて一度は酔いたい、あの酔芙蓉のように…。ぼんぼりに灯がともり、胡弓の音が流れて、風の盆の夜が更ける時、死の予感に震える男と女が忍び逢う…。互いに心を通わせながら離れ離れに二十年の歳月を生きた男女が辿る、あやうい恋の旅路を、金沢、パリ、八尾を舞台に描く長編。
著者等紹介
高橋治[タカハシオサム]
1929(昭和4)年、千葉市に生まれる。金沢の第四高等学校を経て東京大学文学部国文学科を卒業。松竹に入社し、1960年より監督作品を発表、並行して戯曲も執筆する。1965年松竹を退社、本格的な作家活動に入る。1984年、第九〇回直木賞を受賞
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