出版社内容情報
私が好きだった人達、私を理解してくれた人達へ――向田邦子、森繁久彌、渥美清等との交流、「ザ・ベストテン」や結婚未遂の秘話など
女がひとりで生きていくのは大変だってわかったのは、三十八歳の時だった――。私が好きだった人たち、私を理解してくれた人たち、そして私と同じ匂いを持った人たちへ――。「ザ・ベストテン」の日々、テレビ草創期を共に戦った森繁久彌、毎日のように会っていた向田邦子、〈私の兄ちゃん〉の渥美清、〈母さん〉の沢村貞子、そして結婚未遂事件や、現在の心境までを熱く率直に、明朗に綴った感動のメモワール。
内容説明
向田邦子、森繁久彌、渥美清、沢村貞子たちとの友情、「ザ・ベストテン」、結婚未遂事件など宝石箱のような回想録。
目次
私の遅れてきた青春について
霞町マンションBの二
「ねえ、一回どう?」
私の母さん、私の兄ちゃん
初詣で
泰明ちゃんが教えてくれた
「そのままが、いいんです!」
三十八歳だった
徹子のヘア
ある喜劇女優の死
二人の喜劇作家の親
幕が上がる時
1 ~ 3件/全3件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
104
様々な黒柳さんのエピソードを知ることができました。半世紀以上にわたる芸能界で過ごしたからこその出会いや裏話などが興味深かったです。タマネギヘアが地毛というのには驚きましたね。飴などを仕込んでいるというのは聞いていましたが。そういえば先日の『徹子の部屋』で中村勘九郎さんが息子さん2人と一緒に出演したとき、頭から飴を出していて、噂は本当だったんだと。勘九郎さんも「初めて見た」とおっしゃっていました。2017/03/03
あん
97
向田邦子さん、沢村貞子さん、渥美清さん、森繁久彌さんなど、昭和の大スターを見送ってきたから、『トットひとり』なんですね。人と人の繋がりがとても愛おしくなるエピソードがいっぱいです。涙が止まらない箇所と、思わずクスッと笑ってしまう箇所がある、黒柳さんの優しさが溢れるエッセイでした。2015/06/15
kinkin
90
黒柳徹子さん、テレビ創世記からずっと活躍してマルチタレントぶりを発揮し続けている。思い起こせば私の子供時代、「ちろりん村とくるみの木」「ブーフーウー」などでお世話になっているのだ。彼女の早口も近年はさすがに衰えてきたように感じるがそれでも「徹子の部屋」では頭の回転も速い。今までに何人ぐらいの人と話して触れ合ってきたのだろう。日本にジャイアントパンダを紹介したのは彼女だったことを近年知った。とにかくエッセイや話のタネには事欠かない方だろう。図書館本2019/11/10
ドナルド@灯れ松明の火
89
予想していた以上にいい本だった。TV創成期から活躍されてきたTV界の生き字引だと再認識した。回顧している方々は皆著名な方で、知られざるエピソードもあり楽しく読めた。中でも向田邦子さんとのかかわりが素敵だった。でも仲の良かった方々は殆ど亡くなられていて、きっと徹子さんは寂しいだろうなと感じた。 お薦め2016/03/29
美登利
84
天性の明るさで人を惹きつける黒柳さんには、とても人間味の溢れる先輩俳優さん、友人たちが多い。これまでに書いてきたエッセイとダブる部分も多かったけれど、次々とその芸能界の母と兄、姉と慕った人々を亡くし辛い何年かが続いたようです。でも最後までその人たちと交流して最期を看取るような親密さは、徹子さんの心根の優しさを誰もが頼りにしていたからでしょう。気が利くけれど少し抜けていて彼女。そんな愛される素質を産まれた時からお持ちです。どんなお偉い方の懐にもスルリと入り込んでしまう、徹子さん。本当に1人は寂しいですね。2016/03/21