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宮沢賢治の真実―修羅を生きた詩人

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  • サイズ B6判/ページ数 400p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103506812
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0095

出版社内容情報

「春と修羅」「永訣の朝」「銀河鉄道の夜」──名作の奥底に潜む実人生の慟哭。比類なき調査と謎解きで賢治像を一変させる圧巻の書。「春と修羅」「永訣の朝」「銀河鉄道の夜」――数々の名作の奥底に潜む実人生の慟哭。死の床にある最愛の妹。その胸中を知った時、詩人は修羅と化した。妹の人生を大きく狂わせた恋愛事件と、それに気を留めず同性に恋焦がれていた自分。己を「けだもの」と称した詩人の叫びが「永訣の朝」となり、遺作「銀河鉄道の夜」に絶望と希望の全てが注ぎ込まれた。比類なき調査と謎解きの連続で、従来の賢治像を一変させる圧巻の書。

今野 勉[コンノ ツトム]

内容説明

たった4行、だが「猥」「凶」「呪」などただならぬ言葉をちりばめた文語詩との出会い。それが始まりだった。謎の詩に導かれるように、著者は賢治の人生をたどっていく。身が千切れるほどの悲しみ、苦悩を、彼は作品に変えていったのだ。妹を死の淵にまで追い込んだ事件とは何か。なぜ、賢治は自身を修羅と呼んだのか。「永訣の朝」はいかにしてつくられたのか。「銀河鉄道の夜」で描かれた「ジョバンニの切符」とは一体何なのか―。謎解きの連続で賢治像を一変させる圧巻の書。

著者等紹介

今野勉[コンノツトム]
プロデューサー・演出家・脚本家・テレビマンユニオン最高顧問。1936年秋田県生まれ。59年東北大学文学部卒業、ラジオ東京(現TBS)入社。70年TBS退社、日本初の独立系テレビ番組制作会社「テレビマンユニオン」創設に参加。テレビ草創期から数多くのドラマやドキュメンタリーの制作に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鉄之助

220
これまで難解な詩だと思っていた『青森挽歌』が『銀河鉄道の夜』発想の原点であり、亡くなった妹・とし子と交感を試みる青森から北海道への旅だったことに感動。妹の「初恋事件」や、同時期に起こった賢治の意外な相手との「恋」など、これまで知らなかった賢治像に会えて良かった。2020/08/06

東谷くまみ

48
健康な体を、理想を、愛を求め続けみつけた答えは人の幸せを願い続けること。短大の宮沢賢治のテキストに書かされた「皆なが幸福がなければ一人の幸福はありえない 釈迦」の意味がやっとわかった気がする。この本は主に「春と修羅」「永訣の朝」「銀河鉄道の夜」について言及するが、読み終わって頭に浮かんだのは「よだかの星」だった。自分が求めることで周りを傷つけないように、あたかも天上で輝く星のように世の人々を照らそうと手を繋ぐ賢治とトシ、叶わぬ恋に終わったが生涯変わらず大切な人保阪を想う心が銀河鉄道の夜には描かれていた。2021/11/04

Y2K☮

48
宮沢賢治はやはり詩人ではない。創作者としてはフェア過ぎるのだ。嘘をつかない。故に書かれたものがいかに個人的な語彙に満ちて不可解でも、道すじを丹念に探っていけば必ずひとつの真実に辿り着ける。彼を虚構で飾り立てたのは後世の人。そのおかげで作品が世に出てこうして読めるのだけど、本人は違和感しかないはず。私は皆様が思う様な人間じゃないと。でも世間に流布しているロールモデルの彼よりも、恋に破れ、癒えぬ痛みと失望と孤独を筆に託した等身大の彼の方が私は好きだ。この真実は隠されなくていい。恥じる事など何も無いのだ。大作。2017/09/07

にいたけ

44
宮澤賢治のことを発表する機会をいただき再読。この本ではカンパネルラは誰か?について保坂説を唱えているが、第3稿まではとしではなかったかと思っている。信仰に救われるとすがったとしの正当性を化学で証明しようとした賢治。しかし現実は甘くなく、挫折してしまった。それを反映してブルカネロ博士が無くなってしまったのだ。しかし最後まで法華経信者でいたのは何故?自分の中で新たな謎である。🤔2021/05/20

ゆう

39
著者紹介欄にテレビマンユニオンの方とあり、おやと思った。2月に放送された賢治に関するNHKドキュメンタリーの制作会社が、テレビマンユニオンだったから。読了してみたらやっぱりそうで、大筋はドキュメンタリーの内容にそっていた。原作本があったのね。原稿の精読と、丹念な事実調査。その膨大な数の積み重ねに圧倒された。一つの詩の謎が別の詩の謎に結びついていく様は、良質なミステリーのようでもあり。賢治が同性を愛したと断定するにはちょっと弱い印象だけど、保阪嘉内が彼のミューズであったことは確かだろうと思った。面白かった。2019/04/06

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