わたしが出会った殺人者たち

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  • サイズ A5判/ページ数 318p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103349020
  • NDC分類 368.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

その交わりが、わたしを作家に育てた――。幾多の殺人者に取材を重ねてきた犯罪小説の先駆者が、古希を越えて迫る「人間の正体」。

文学とは、人間という不可思議な生き物の正体に、どこまで迫れるかだ――。幾多の殺人犯に取材を重ねてきた犯罪小説の先駆者が、古希を越えた今、四十数年にわたる交流を回顧する。拘置所で大粒の涙を見せた無期懲役囚、「自分を小説に書いてくれ」と資料を寄越した家族殺しの知能犯、著者が喪主を務め見送った前科十犯……。事件の裏で繰り広げられていた人間模様、甦る18人の息遣い。

内容説明

幾多の殺人犯に取材を重ねてきた犯罪小説の先駆者が、古希を越えた今、40数年にわたる交流を回顧する。拘置所で大粒の涙を見せた無期懲役囚、「自分を小説に書いてくれ」と資料を寄越した家族殺しの知能犯、著者が喪主を務め見送った前科十犯…。日常に生活する「陰の隣人たち」のあまりにも人間臭い、その横顔。

目次

『復讐するは我にあり』の西口彰
『曠野へ死刑囚かの手記から』の川辺敏幸
『千葉大女医殺人事件』の藤田正
『悪女の涙 逃亡十五年』の福田和子
『連続幼女誘拐殺人事件』の宮崎勤
『別府三億円保険金殺人事件』の荒木虎美
『身分帳』の山川一こと田村明義
『一〇八号―連続射殺事件』の永山則夫
『和歌山毒カレー事件』の林真須美
『オウム真理教事件』の麻原彰晃こと松本智津夫
『トビ職仲間と五人殺し』の木村繁治
『黒い満月の前夜に』の尊・卑属
『中洲美人ママ連続夫殺し』の高橋裕子
『奈良女児誘拐殺人事件』の小林薫
『深川通り魔殺人事件』の川俣軍司
『大阪池田小大量殺人事件』の宅間守
『下関駅通り魔殺人事件』の上部康明
『偉大なる祖国アメリカ』の安田幸行

著者等紹介

佐木隆三[サキリュウゾウ]
1937(昭和12)年、朝鮮咸鏡北道(現在は朝鮮民主主義人民共和国)生まれ。41年、帰国。福岡県立八幡中央高校卒業後、八幡製鉄所(現・新日本製鐵)に入社。勤務の傍ら、執筆活動を続ける。64年、退社。『ジャンケンポン協定』(新日本文学賞)『復讐するは我にあり』(直木賞)『身分帳』(伊藤整文学賞)など著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

81
作者が実際にやり取りのあった殺人者18人についての回想。一人に割かれるページが少ないので、犯人の動機や生い立ち、いかにして殺人者となったかが十分に描かれていない。死刑判決が出たような犯罪については他の本で詳しく知っているものもある。18人に関わったなら、その中で特に印象に残る人にフォーカスをあて、その理由なども記してほしかったなと思う。2014/09/02

Tsuyoshi

56
最近の事件から古い事件まで著者が取材や執筆など関わってきた殺人事件の数々が記されている。各事件の背景、犯罪者の生い立ちや事件に至る経緯、逮捕後の心境や態度の変化など様々で興味深かった。特に名だたる事件においても知らなかった詳細な部分に触れる事で改めて興味を抱く部分も多かった。2017/10/18

Maiラピ

24
『文学とは人間という不可思議な生き物の正体にどこまで迫れるかだ』埴谷雄高。ノンフィクションやドキュメンタリーに惹きつけられるのはやはりそれがリアルな人の業だからだと思う。『殺人者と他の人間との違いは程度の差であって、種類が異なるのではない。』コリン・ウィルソン。“身分帳”の田村義明のエピソードは佐木さんの人柄が垣間見えて微笑ましい。“偉大なる祖国アメリカの安田幸行”は初めて知った、そして当時の時代背景や世相に翻弄された事件にショックを 受けた。今も安田は収監されてるのか、偉大なる祖国アメリカ読みたい。2012/04/24

うーちゃん

21
半世紀に渡って実際の犯罪事件を取材し、作品を生み出してきた著者の回顧録。ある被告は涙ながらに自らの罪を悔い、ある被告は死刑判決を受け拳を握る(ガッツポーズと思われる)。ある被告の父親は 死刑求刑の息子に対し「命だけは、救ってやってください」と訴え、ある事件の遺族は、「たとえ極刑の判決でも、許すことはできない」と言う。傍聴席で彼らの生の声を、表情を見続けてきた著者には、どのような思いが巡るのだろうか。私にはなかなか、推し量ることができない。2014/12/18

e r i .

11
18の事件が載っていました。一つ一つは短くコンパクトですが事件の概要から判決まで分かるようになっている紹介のような本。2014/08/03

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