出版社内容情報
何者かになったつもりの自分に裏切られ続ける毎日。光を求めて進み、熱を感じて立ち止まる。『何者』アナザーストーリー作品集。生きていくことは、何者かになったつもりの自分に裏切られ続けることだ。光を求めて進み、熱を感じて立ち止まる――今秋映画化される『何者』アナザーストーリー六篇を収録。光太郎が出版社に入りたかったのはなぜなのか。理香と隆良の出会いは? 瑞月の父に何があったのか。拓人を落とした面接官の今は……。「就活」の枠を超えた人生の現実。直木賞受賞から3年、発見と考察に満ちた、最新作品集。書下ろし作品も収録。
朝井 リョウ[アサイ リョウ]
内容説明
何者かになっただなんて、何様のつもりなんだろう―『何者』アナザーストーリー6篇。書下ろし新作も収録!
著者等紹介
朝井リョウ[アサイリョウ]
1989年、岐阜県生まれ。早稲田大学文化構想学部卒業。2009年、『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞受賞。受賞作がベストセラーになり、現役大学生作家として注目される。2013年、『何者』で第148回直木賞を受賞。他の著書に『チア男子!!』(第3回高校生が選ぶ天竜文学賞)、『世界地図の下書き』(第29回坪田譲治文学賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
695
朝井リョウは、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本作は、『何者』の文庫化、映画公開に合わせて出版された二番煎じの寄せ集め短編集です。直木賞受賞作『何者』に比べると、当然ながらインパクトに欠けますが、佳作は多いと思います。オススメは「水曜日の南階段はきれい」と表題作の「何様」です。やっぱり青春は良いですネ。2016/09/27
まちゃ
491
映画化された「何者」のアナザーストーリー集ですが、「何者」を読んでからだいぶ経ったので、登場人物のことはすっかり忘れていました。それでも十分に楽しめました。さすが朝井リョウさん、現代を生きる若者の心の揺れや不安といったものの描写が素晴らしかったです。お気に入りは、『水曜日の南階段はきれい』。荻島夕子さんから神谷光太郎への文集のメッセージが切なく爽やかで心地良かったです。2017/01/29
Nobu A
333
朝井リョウ著書2冊目。16年刊行。「武道館」以来約8年振り。好みはさておき、前書ではそこまで感じなかったが、改めて朝井本を読み、心の機微の描写に舌を巻く。特に異性。思わず家族構成が気になりググってみた。回答は見つからなかったが、高校時代はバレーに打ち込み体育会系ぽかったような。物語構成も例えば「指の腹が痛い。汗で滑りそうになるピックを、もう一度ぎゅっと掴む」と唐突にミクロ視点で始まる。定石の全体像を示すマクロ視点からではなく。時折中盤でもこの手法が取られ徐々に全体像を映し出す。他の作家とは一線を画す。2024/03/24
hiro
329
『何者』のアナザーストーリー短編集。『何者』は朝井作品の中では正直あまり記憶に残っていない作品なので、今回再登場した登場人物が頭の中でつながらなかった。アンソロジーで二編既読だが、『水曜日の南階段はきれい』は印象に残っていた作品だったので、再読しても変わらず好きな作品だ。最後の『何様』は、『何者』の正反対、採用担当者の悩みが興味深かった。全体的に朝井さんらしい短編集で、高校生・女性を描写がうまく、「これまで全身に均等に分布されていたはずの血液に、斑が生まれ始めるのがわかる」等の表現もおもしろい作品だった。2016/10/16
ダイ@2019.11.2~一時休止
272
何者の続編?。就活前後?の短編集。朝井さんらしい感じで中でも水曜日の南階段がきれいが一番よかった。2016/09/21