花の回廊―流転の海〈第5部〉

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  • サイズ B6判/ページ数 397p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103325147
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

高度経済成長に沸き立つ大阪、尼崎。暗く小さなアパートに暮らす伸仁が見たものは?戦後昭和を舞台に日本人の魂を描く大河ドラマ「流転の海」、待望の新作!

内容説明

昭和32年、再び一文無しとなった松坂熊吾一家に親子三人で暮せる家はなく、小学生の伸仁は尼崎のアパートに住むことになった。その居住者は皆貧しく、本国が南北に分かたれた朝鮮の人々の世帯が半数を占めていた。伸仁はここで壮絶な人間ドラマの渦に巻き込まれていく。一方、熊吾は大規模な駐車場経営に乗り出す。一家に、新たな時代の波が押し寄せる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

B-Beat

17
★シリーズ第5弾。やはりこのシリーズは面白い。作者自身があとがきで書いているように、どこまでが実際にあった出来事でどの部分がフィクションかはわからないが、淡々と続くこと細かな情感あふれた描写が読む者をすべて真実のように思わせてしまうのか飽かせることがないという感じ。またいつか読み返すだろうなと。 2012/09/24

zanta

16
前段を読んでから十年以上経っている。なのにページを開いた途端熊吾が活発に動き出す。カリスマ性を持った熊吾が不遇の中にあってなお魅力的。昨日まで読んでたという感じの持続性はすごい。ディテールを覚えている、ということでなく、世界の中に一気に取り込まれて、自然に思い浮かぶのだ。こうでなくちゃ、こんなに長いシリーズはありえない。すごい筆力だ。すでに七巻まで出ているから、続けて読めてありがたい。多分また十年あいても大丈夫だろう。完結したら、全巻を通しで読みたい。朝鮮半島から来た方の思いも伺い知ることができる。2014/08/10

ちょん

15
再読。混沌とした尼崎での生活がノブを大きく成長させていた。熊吾の事業もどういう転換を迎えていくか次作が楽しみ。2016/11/23

まさおか つる

14
その場に立って、熊吾は国道を挟んだ真正面に建つ蘭月ビルをしばらく見つめた。そのようにして蘭月ビルを眺めるのは初めてだった。/外から見る限り、いったい誰がこの安アパートのなかに四つの階段があり、二階の回り廊下とその階段が迷路を形作っているとわかるであろうかと思った。2020/05/02

ジュースの素

12
熊吾が61才、伸仁(宮本輝)が11才。この本に出て来る言葉で「いったい 誰がどこでこういう道筋を作ったんですやろ」とか「運命っちゅう言葉以外で これをどんな言葉で説明しますねん」 この一連の大河小説の中を流れる数知れない人間の紆余曲折は これらの言葉で総括される。次々と起こる、まさに運命としか言えない出会いや事件、熊吾の人への関わり方が濃すぎる。昭和30年代の初めの大阪、いや日本は人間が格好付けず ありのままをさらけ出して生きていたんだなぁと痛感する。2017/05/06

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