内容説明
病弱な妻子の健康を思い、事業の志半ばで、郷里の愛媛県南宇和の僻村に引きこもった松坂熊吾。再度の大阪での旗揚げを期しつつ、のびやかな田園の自然の恵みのなかで、わが子の成長を見守る。だが、1人の男の出現が、熊吾一家の静かな暮らしを脅やかす…。熊吾と男との因縁の対決を軸に、父祖の地のもたらす血の騒ぎ、人間の縁の不思議を悠揚たる筆致で綴る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
だんたろう
27
流転の海の第二部。大阪から故郷の松山に帰り、そこでの生活の後に再び大阪に帰る決意をするまで。人間が生きていくということが、それだけでドラマであることが描かれている。人との関わり合いや家族の意味を考えさせられる大河ドラマでもある。2014/05/12
まさおか つる
14
「世の中というものは、この天と地が、いっしょくたになっちょるようなもんじゃ。お前はまだチビ助やが、そんなお前の中にも、この空よりもでっかい宇宙がある。お前の中に、お天道さまも、お月さまも、お星さまも、ぎっしりつまっちょる」2020/04/25
ちょん
7
熊吾と房江、伸仁の田舎での生活。 物足りない中でも熊吾の筋のとおった生き方に感動。房江も自分を出してきていてとても可愛い。三部が楽しみ。 内容(「BOOK」データベースより) 病弱な妻子の健康を思い、事業の志半ばで、郷里の愛媛県南宇和の僻村に引きこもった松坂熊吾。再度の大阪での旗揚げを期しつつ、のびやかな田園の自然の恵みのなかで、わが子の成長を見守る。だが、1人の男の出現が、熊吾一家の静かな暮らしを脅やかす…。熊吾と男との因縁の対決を軸に、父祖の地のもたらす血の騒ぎ、人間の縁の不思議を悠揚たる筆致で綴る2010/12/14
ちょん
3
再読。南宇和での熊吾一家。伊佐男の不気味さが際立つ。2016/10/23
Bookcover
2
シリーズ2作目、再読。数多の登場人物にも、愛着のようなものが湧き始めさえしました。「芥川賞候補作は必ず2回は読む。2回目に読むと、1回目にできなかった発見がある」と、宮本輝自身がテレビで語っていた言葉を実感します。2022/10/26