出版社内容情報
私は過去のことを考えるほど、未来のことを考えていただろうか。地球と人類の有限性を引き受けたうえで、なおイエスという哲学とは?
わたしは過去のことを考えるほど、未来のことを考えていただろうか? 3・11による福島原発事故が引き起こしたのは、本質的には誰にも「責任をとりきれない」という新しい事態だ。科学技術の、地球環境の、そして種としての人類の限界が露わになったいま、ポストモダンとエコロジー、双方の思想が見落としてきた「有限性」を足場に、生きることへの肯定をスリリングかつ緻密に語る決定的論考。
内容説明
人類が永遠に続くのではないとしたら、私たちは、どのような生き方を、どのような価値観を、つくりだすべきなのだろうか?原発事故があらわにした近代産業システムの限界。その「有限性」にイエスという新しい思想哲学。
目次
1 さまざまな近代二分論があった
2 有限性の近代を生きる
3 日本から世界へ
4 新しい生態系と技術革新
5 偶発的契機であろうとする意思
6 イエスということ
著者等紹介
加藤典洋[カトウノリヒロ]
1948年、山形県生まれ。文芸評論家。東京大学文学部卒業。著書に『言語表現法講義』(新潮学芸賞)、『敗戦後論』(伊藤整文学賞)、『テクストから遠く離れて』『小説の未来』(桑原武夫学芸賞)ほか多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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