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橘花抄

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  • サイズ B6判/ページ数 365p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103280118
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

逆境に陥りながらも己の信ずる道を貫く男。光を失っても強く一途に生きる女。黒田藩のお家騒動を背景に注目の作家が描く、清新清冽な本格時代長編小説。

内容説明

どんなに困難でも、自分に悔いなき道を歩む。他に歩む道などないのだから―。両親を亡くし、黒田藩で権勢を振う立花重根に引き取られた卯乃。後添えにと望まれるが、父の自害への重根の関与を聞かされた卯乃は、懊悩のあまり失明してしまう。前藩主の没後、粛清が始まった。減封、閉門、配流。立花一族は従容として苦境を受け入れるが、追及は苛烈だった。藩主の命を受けて、重根と弟・峯均を密かに狙う隻腕の剣士・津田天馬。宮本武蔵の二天流と佐々木小次郎の巌流。倶に天を戴けぬ二流の対決の秋が迫る。

著者等紹介

葉室麟[ハムロリン]
1951年、北九州市小倉生まれ。西南学院大学卒業後、地方紙記者などを経て、2004年『乾山晩愁』で歴史文学賞を受賞し、作家デビュー。07年『銀漢の賦』で松本清張賞を受賞。09年『いのちなりけり』が直木賞候補、『秋月記』が山本周五郎賞・直木賞候補、10年『花や散るらん』が直木賞候補(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

文庫フリーク@灯れ松明の火

65
葉室さん2冊め『花の美しさは色にありましょうか』『いいえ。花の美しさは生き抜こうとする健気さにあるのです』『それがいのちの美しさですから』藩内の争いの中、生き抜こう・自分を貫こうとする男と女。茶道や和歌、なにより香りを聞く《香道》という馴染みない事柄を効果的に使いながら、この読みやすさは不思議なほど。天馬との海での剣劇シーンにささやかな違和感、卯乃の光を失っての描写が少ないような気がしますが、エンタメに振る時代小説多い中、個人的にじっくり味わいたい作家さんです。引き続き葉室さん追いかけます。2011/08/14

ロッキーのパパ

39
葉室麟の作品は、作者が「正」とする人物の生き様は凜としており、襟を正して読まなきゃという気にさせられる。この作品も、重根と泰雲の死に臨む姿があまりにも清々しくて感銘を受けた。重根と峯均の兄弟を始め、主要な男性の登場人物は実在の人物なんだけど、読み終えるまでWikipediaで調べるのを我慢した。その甲斐あって、最後までどきどき楽しめた。「泣かなければ明日は良い日がくるのだ。」を信じた卯乃のその後は幸せであって欲しいな。2014/11/28

ぺんぎん

30
「香を聞く」っていうのが奥深い。話自体は読み応え充分だが報われないこともありちょっと寂しい。この時代の人達はほんとに気高く美しいと思える。その後が気になる終わり方。2012/05/31

なゆ

26
葉室さん4冊目、安定感たっぷりの読み応えです。黒田藩のお家騒動、渦巻く陰謀、そしてやはり渋く光る武士の矜持と、それを支える女たちのしなやかな強さ。この作品では、香道が効果的に使われていて、その時々にふさわしい香りと和歌が、秘められた気持ちを表す。どんな香りなのか、私も香というものを聞いてみたくなった。魔物めいた津田天馬の、剣術とは思えない技が非常に不気味。2013/03/11

伊織

26
さすがさすがの葉室さん!心がジーンと痺れます。登場人物たちの清廉さがとても眩しく、背筋をシャンと伸ばして読まないといけない気になります。卯乃の成長ぶりもそうですが、周りの人々も芯を持って生きていて家族であったり、愛情だったりの余韻が読み終わった後も綺麗に心を満たしてくれました。…ただだ葉室さんの書き出す世界観はとても好きなのですが、何故か読み出すまでにとても時間がかかります。多分、その要因はあまりにも清廉で真っ直ぐに生きる彼らが自分の痛いトコロを突かれてしまうからだと思います(汗)2010/12/19

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