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晴天の迷いクジラ

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  • サイズ B6判/ページ数 295p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103259220
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

ただ「死ぬなよ」って、それだけ言えばよかったんだ――『ふがいない僕は空を見た』の著者が放つ待望の二作目。感涙長編小説。

内容説明

壊れかけた三人が転がるように行きついた、その果ては?人生の転機に何度も読み返したくなる、感涙の物語。

著者等紹介

窪美澄[クボミスミ]
1965(昭和40)年、東京都稲城市生まれ。カリタス女子中学高等学校卒業。短大を中退後、さまざまなアルバイトを経て、広告制作会社に勤務。出産後、フリーの編集ライターに。妊娠・出産を主なテーマとし、その他女性の体や健康、漢方、占星術などについて雑誌や書籍で活動する。2009年「ミクマリ」で第8回女による女のためのR‐18文学賞大賞を受賞。2010年には受賞作を所収した『ふがいない僕は空を見た』(新潮社)を発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yoshida

569
生きることは様々な現実に折り合いをつけ、自分を納得させることだと思う。あまりに過酷な現実と出会ったとき、折り合いをつけれずに人は絶望し最後には死を考える。由人、野乃花、正子、3人の現実は重い。特に野乃花の背負った十字架と、東京で走り続ける毎日は重く辛い。結論として人間は生きている限り精一杯生きねばならないと思う。生きていればこそ、背負う十字架が少し軽くなるかもしれないし、思いもよらない誰かから救いがあるかもしれない。死は全ての可能性を否定する。だからこそ生きねばならない。その先に光があるかもしれないから。2017/10/10

ろくせい@やまもとかねよし

519
他人から発せされる生きてほしいとの望み。生きる大きな動機だと確認。理不尽な利己的な利他で苦しめられる主人公の3人。体が弱く勉強もできる兄と突如非行に走った妹で、結果として無関心が両親の愛情だと受け止めてきた20代男性。貧困な家庭で得意な絵画の先生から強要された性行為による妊娠と結婚から発覚する両親の歪んだ感情を受け止めきれなかった40代女性。幼く死んだ姉への両親の愛情が一方的で異常な過干渉となり、それに無気力として抗う10代女性。自虐的に死を抱える彼らは血縁とは無関係な利他思い遣りで生きる希望を見出す。2021/12/15

風眠

515
過干渉、育児ノイローゼ、ネグレクト、言葉にするとひどくシンプルになってしまうが、そうなっていくまでの経緯はとても複雑だ。こういう原因があったからそうなってしまった、ということだけでは説明できない。登場人物それぞれの生育歴が丁寧に描かれていて、読んでいてとても苦しかった。ひとりひとりの寂しさに胸がつまった。3人でクジラを見に行くことで、希望が見えるのかと思いきや、そうは描かない作者の容赦の無さが私は好きだ。徹底したリアリティに、ぐいっと胸ぐらを掴まれるような物語。2012/07/02

kommy

430
心に闇を抱え、死を願う3人。どう足掻いても救われない彼らの日常が、鯨を見守る人々との関わりで、絡まった糸が解けていくように救われていく。3人の心情が細やかに表現されいて、読んでいてとても苦しかったが、どのエピソードも共感させてしまう窪さんの文章力が素晴らしい。生きるってしんどい。だからこそ生きるって尊い。生きることに疲れた人に読んでほしい本です。2016/10/28

takaC

408
のめり込んだ。面白かった。充足感を得た。2012/10/09

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