内容説明
あれから五十年、もう命の時間はない、せめて故国の地に眠りたい―。朝鮮半島の無力な人々が、サハリン島に封じこめられるについては、いかなる経緯があったのか。感情論を排し、事実のみの記述によって描かれる悲しみの根源と現状。『閔妃暗殺』以来、日韓関係の歴史を検証してきた角田房子の、書下ろし問題作。
目次
ハバロフスクにて
真岡の海
サハリン州都
悲劇の背景
帰還運動の発端
樺太裁判
四十年目の死亡通知
社会主義国の壁
ボランティアと政治
内淵にて
民間外交の限界
超党派議員懇談会
朴魯学の死
ソウル・オリンピック後の展開
それでも故郷へ
新潟空港にて
空白後の夫と妻
長い旅は終らない
付記 政権交替